ビスフェノールAが自閉症スペクトラムの原因となる可能性

(2013年2月) 英国の大学の研究により、ビスフェノールA(BPA)という化学物質が子供の神経系の発達に悪影響を及ぼすことが指摘されています。 BPAが中枢神経系の発達を阻害し、神経発達疾患(自閉症・統合失調症・注意欠陥多動性障害など)を引き起こす可能性があるというのです。

今回の研究はマウス実験でしたが、ヒトにも当てはまる可能性があります。

研究の概要

マウスの神経細胞を微量のBPAに暴露させたところ、KCC2 というタンパク質を作る遺伝子が活動を停止し、神経細胞中のイオン塩化物(ion chloride)の量の減少が遅れました。

この塩化物減少の遅れが問題となるのは、次のような理由によります。 神経細胞が発達するときには細胞内に大量に存在する塩化物が、KCC2 というタンパク質により神経細胞に追い出されますが、この KCC2 が機能せずに塩化物が神経細胞内に過剰に存在し続けると、神経系の経路が損傷を受けて、発達中の神経細胞が脳内で必要とされる部分に移動できません。

解説

研究グループは、KCC2 が機能しない原因として、BPAによって MECP2 というタンパク質が増加したことで、KCC2 が抑制され活動を停止してしまうのではないかと考えています。

重度の自閉症スペクトラム(ASD)であるレット症候群では、MECP2 を作る遺伝子に変異が生じます。