妊娠中の暴露で胎児をナマケモノにする化学物質

(2015年9月) "Journal of Developmental Origins of Health and Disease" に掲載されたミズーリ大学の研究によると、妊娠・授乳中に化学物質が体内に入ることで生まれる子供が生後に運動をしない人間になる可能性があります。

この研究で、妊娠・授乳中のマウスをビスフェノールA(BPA)またはエチニル・エストラジオール(EE)という2種類の内分泌かく乱物質(ホルモン系に干渉する汚染物質)に暴露させたところ、子供マウスの睡眠時間が増えて運動量が減ったのです。
EEとBPA
EEは避妊用のピルにエストロゲンとして使用されている物質です。 BPAはプラスチック・ボトル、アルミ缶、その他の食品容器などに用いられています。
研究の方法
妊娠および授乳中の母マウスを次の3つのグループに分けました:
  1. BPAに汚染されたエサを食べるグループ
  2. EEに汚染されたエサを食べるグループ
  3. どちらにも汚染されていないエサを食べるグループ

いずれのグループも離乳後の子マウスには、BPAにもEEにも汚染されていないエサを与えました(子マウスは母体と母乳を介してのみBPAやEEの影響を受けた)。 そして子マウスが大人になったときに、エネルギー消費・体脂肪率・運動量を測定しました。

結果

1と2のグループの子マウスは3のグループに比べて運動量が少ないという結果でした。 1と2の子マウスは、マウスが活動的となる時間帯である夜間に動き回ることが少なく、動き方ものっそりしていました。 水を飲む量が少なくて、睡眠時間が増えていました。

BPAに暴露された1のグループの子マウスでは、エネルギー源として脂肪よりも炭水化物を多く消費していました。 これは肥満のヒトにも見られる現象で、脂肪が蓄積する原因だと考えられています。

コメント
研究者は次のように述べています:
「運動不足はヒトでも他の動物でも、心血管疾患(心臓病や脳卒中)・代謝障害(糖尿病/肥満/脂質異常など)・ガンなどのリスク要因です」