ビスフェノールSもビスフェノールAと同様に人体に有害

プラスチック製品などに用いられているビスフェノールA(BPA)は、複数の研究により喘息・ガン・神経の変異などとの関連が指摘されており、米国ではBPAの使用禁止も検討されています。

BPAの代替物としてのBPS

このようなBPA使用に対する圧力に対して、BPAの代わりにビスフェノールS(BPS)という化合物が用いられるようになっています。

BPAとBPSは名前だけでなく構造と用途も似ており、両者ともに紙幣やレシートなど幅広い用途に用いられています。

BPSの有害性
BPSは構造と用途だけでなく有害性についてもBPAに似ています。
エストロゲンへの反応を狂わせる

"Environmental Health Perspectives" 誌(2013年1月)に掲載されたテキサス大学の研究によると、BPSもBPAと同様にエストロゲンというホルモンに対する細胞の反応を撹乱(かくらん)して、ホルモンの放出および細胞の成長と死滅のパターンを変化させてしまいます。

そしてBPSによる人体への影響はBPAと同様に低レベルの暴露で生じます。 研究者の話では、BPSはフェムトモルからピコモルという(極少量の)濃度で活性を示しますが、この程度の量であれば容器から内容物(食品など)に溶出する可能性が高いそうです。

早産を引き起こす?

"Endocrinology" 誌(2016年2月)に掲載されたカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究では、ゼブラフィッシュを用いた実験によりBPSが早産を引き起こす可能性が示唆されています。

一般的な河川から検出されるのと同程度の濃度のBPAまたはBPSにゼブラフィッシュの卵を暴露させたところ、わずか25時間の暴露により孵化までにかかる時間が短縮されたのです。 孵化が早まるというのはヒトで言えば早産に相当します。

太る原因になる?

カナダの政府機関が行った研究では、BPSへの暴露によって脂肪細胞の形成が促進されるという結果になっています。

有害性はすでに知られている

Wikipediaによると、メーカーはBPSにBPAと同様の有害性があることを認識したうえで、BPSが未だ法律で禁止されていないという理由でBPSを用いています。

BPSの用途と暴露量
2012年に行われた研究によると、BPSは、紙幣(21ヶ国の紙幣の87%から検出)やレシートに用いられる熱感紙・ペーパータオル・印刷物・トイレットペーパーなどに使われています。
Wikipedia によると、日本のレシートからもBPSが検出されています。
BPSはレシートや紙幣に1グラムあたり最大で6~8マイクログラム程度まで含まれており、紙類への皮膚接触を通して一日あたりに人体に取り込まれる量(体重1キロあたり)の中央値と95%値は、一般の人では1.18ナノグラムと11ナノグラム、BPSに暴露される仕事に就いている人(スーパーのレジ係など?)では312ナノグラムと821ナノグラムだと推算されます。 BPSに暴露する原因は主として、レシートの熱感紙です。