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心拍数が少ないだけなら心臓病のリスクは増えない

(2016年1月) "Journal of American Medical Association Internal Medicine" に掲載された Wake Forest Baptist Medical Center(米国)の研究によると、徐脈(心拍が通常よりも遅いこと)によって心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクは増加しません。

研究者は次のように述べています:
「徐脈であっても心拍数が40~50回台で症状が生じていない大部分のケースでは、予後は非常に良好です。 無症候性(症状が出ていない)の徐脈と診断された人にとって今回の結果は非常に安心できるものと言えるでしょう」
徐脈とは

心臓は安静時の成人で1分あたりに60~100回鼓動するのが一般的です。 1分あたりの鼓動回数が50回未満である状態が徐脈と呼ばれます。

徐脈の人では酸素を含んだ血液が全身に十分に行き渡らないために、ふらつき・息切れ・失神・胸の痛みといった症状が起こることがあります。

研究の方法

45~84才の男女 6,733人を10年超にわたり追跡調査して心血管疾患と死亡率のデータを取りました。 追跡調査開始の時点において、この 6,733人に心血管疾患は抱えている人は含まれていませんでしたが、高血圧の治療に頻繁に用いられ心拍数に影響する薬(β遮断薬やカルシウムチャネル遮断薬など)を服用している人が含まれていました。

結果

心拍数に影響する薬を服用しているか否かに関わらず、心拍数が50未満のグループにおいて心血管疾患のリスクは増加していませんでした。 ただし心拍数に影響する薬を服用していた人たちでは、徐脈がある場合に死亡率が高くなっている可能性がありました。

上のパラグラフは、おそらく次のような意味ではないでしょうか: 「データ全体の分析では徐脈であるグループで心血管疾患のリスクは増加していなかったけれども、心拍数に影響する薬を服用していた人たちに限って分析すると、徐脈が無いグループよりも徐脈があるグループで心血管疾患のリスクが高くなっていた。 しかしそのリスクの増加は、統計学的に明確に有意と言えるほどではなかった」
研究者は「心拍を遅くする薬を服用している場合には徐脈が問題となるかもしれない」と述べています。