脳が傷つくとアルツハイマー病のプラークが形成される?

(2016年2月) "American Academy of Neurology" に掲載されたインペリアルカレッジ・ロンドン(英国)の研究で、交通事故や転倒などによる頭の怪我で脳を損傷した人の脳にもアルツハイマー病患者の脳に見られるアミロイドβの蓄積が見られることが明らかになりました。出典: Alzheimer’s Plaques Found in Middle-Aged People with Brain Injuries

研究の方法

11ヶ月前~17年前に中等~重症の外傷性脳損傷(TBI)を一度だけ経験した人たち9人(平均年齢44才)の脳をPETおよびMRIで検査し、アルツハイマー病患者10人および健常者9人の脳と比較しました。

結果

アルツハイマー病患者のグループだけでなくTBI経験者のグループでも脳にアミロイドβのプラークが蓄積していました。 アルツハイマー病患者のグループで後帯状皮質だけにプラークが蓄積していたのに対して、TBI経験者のグループでは後帯状皮質と小脳に蓄積していました。

TBI経験者では、脳の白質へのダメージが多いとプラークの蓄積が増えていました。

コメント
研究者は次のように述べています:
「頭部に外傷を負った後には認知症を発症しやすいのですが、その理由はわかっていません。 今回の結果から、TBIがアルツハイマー病に見られるアミロイドβのプラーク形成を引き起こしている可能性が示唆されます。 TBIが生じた際の白質へのダメージがプラークの生産のきっかけとなっているのかもしれません」