てんかん発作のリスクを天気予報のように予測

(2018年1月) "Nature Communications" 誌に掲載されたカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究によると、癲癇(てんかん)患者の脳の活動には長期的な周期性があります。 この周期を用いて癲癇発作が起こるリスクが高まる時期を天気予報のように予測できるようになるかもしれません。出典: Monthly Brain Cycles Predict Seizures in Patients with Epilepsy

発作のリスクが高まる時期を予測できれば、そういう時期に水泳や車の運転など発作が起こると危険な行為を避けるようにしたり、事前的に発作の発生に備えておいたりすることが可能となります。

研究の背景

研究チームはこれまでに、癲癇発作の抑制を目的として脳に埋め込んで使用する機器(NeuroPace RNS System)を開発していました。 NeuroPace RNS System は癲癇発作の発生を速やかに感知し脳に刺激を与えることによって発作を抑制しますが、癲癇発作に関与する脳の活動を数ヶ月間~数年間にわたり記録する機能も備えています。

今回の研究

今回の研究では、この NeuroPace RNS System を使用している癲癇患者37人から得たデータを用いて、癲癇患者が発作を起こすときの脳に見られることが多い複数の放電パターンを特定しました。 この放電パターンは "brain irritability(脳の過敏/興奮性)" と命名されています。

これまでの研究でも癲癇発作のリスクが1日のうちに周期的に変動することが示されていましたが、今回の研究では1日のうちだけでなく数週間や数ヶ月間(20~30日であることが多い)といった長期的なサイクルにおいても発作のリスクが周期的に変動することが明らかになりました。

リスク変動の周期には個人差があり患者ごとに特有ですが、各患者に備わる周期は固定的で少なくとも10年間は安定しています。

短期的な周期(1日のうちでのリスク変動)においてリスクが増加する時期と長期的な周期においてリスクが増加する時期が重なるときには、時期が重ならないときに比べて、癲癇発作のリスクが7倍に増加していました。