「最新健康ニュース」のコンテンツを閲覧以外で利用する方は「引用・転載・ネタ探しをするときのルール」をご覧ください。

脳の白質の健康のためには運動をしたうえで座る時間を減らすのが良い

(2014年9月) 脳の白質も体の他の部分と同様に加齢によって衰えますが、"PLoS ONE" に掲載されたイリノイ大学の研究によると、運動習慣の有無および座っている時間の長さが、白質の構造的な健全性に影響すると考えられます。 白質は、脳の各領域間の連絡に必要とされます。

研究の方法
この研究では、60~78才の病気を抱えていない男女88人を対象に1週間にわたって、起床時間中に加速度計(運動量を測る計器)を装着してもらって運動量を調査し、さらに拡散テンソル撮像法など2つの技法を用いて脳の構造の完全性と白質の病斑(*)を調べました。
(*) 白質の病斑(lesion)は65才以上の人たちの95%ほどに見られます。 病斑は正常な加齢の一環ですが、病斑があまりにも早期から出始めたり、病斑の増加速度が速すぎたりする場合には何らかの異常が疑われます。

加速度計を用いることによって各人の運動量を客観的に測定することができますし、1週間という追跡期間は運動習慣を把握するのに適当な期間の長さだと考えられます。

結果
調査の主な結果は次の通りです:
  • 中~高強度の運動習慣のある高齢者の脳は、白質の病斑が有意に少ない傾向があった。
  • 軽い運動をする習慣がある高齢者では、側頭葉の白質索(white-matter tract)の構造的な健全性が良好だった。 側頭葉は、記憶・言語・視聴覚情報の処理に深く関与しています。
  • 座って過ごす時間が長い高齢者では、海馬を接続する白質索の構造的健全性が良好ではなかった。 海馬は学習と記憶に深く関与しています。

年齢・性別・心肺機能などの要因を考慮しても、これらの結果の統計学的な有意性は失われませんでした。

コメント
研究者は次のように述べています:
「今回の結果から、運動をしている人であっても、座って過ごす時間が長過ぎると脳の健康に良くないことが示唆されます。 運動をすることと座って過ごす時間を減らすことの両方が大切だと思われます」