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朝食で摂るカロリーが多い人は脳内出血が起こりにくい。特に飽和脂肪が良い?

(2018年6月) "Journal of Atherosclerosis and Thrombosis" に掲載された大阪大学などによる研究で、朝食で摂るカロリーが多いと脳内出血が生じるリスクが低いという結果になっています。

研究の方法

脳卒中や心臓病ではない40~59才の男女 3,248人(女性 1,586人)を対象に、アンケート調査(1981~1990年のうちに2回以上行った)で過去24時間における食生活を尋ねたのち25年間前後にわたり脳卒中の発生状況を追跡調査しました。

データの分析においては、年齢・生活習慣・健康状態などを考慮しました。

結果

追跡期間中に230人(女性83人)に脳卒中が生じました。

男性に限り、朝食で摂るカロリーが最も多かったグループは最も少なかったグループに比べて、脳内出血(*)のリスクが62%低下していました。
(*) 欧米では脳卒中全体の10~15%を占めるに過ぎない。アジアでは脳卒中全体に脳内出血が占める割合がもっと多いというデータがある。

男性が脳卒中全体・虚血性脳卒中・クモ膜下出血になるリスクと朝食で摂るカロリーとのあいだには関係が見られませんでした。

女性では、脳内出血・脳卒中全体・虚血性脳卒中・クモ膜下出血のいずれに関しても、発症リスクと朝食で摂るカロリーとのあいだに関係が見られませんでした。

カロリーの種類

朝食で摂るカロリー源のうち男性の脳内出血のリスク低下とのあいだに関係が見られたのは飽和脂肪(肉の脂身や乳製品に多く含まれ不健康的であるとされることが多い)と一価不飽和脂肪だけでした(リスク低下幅は-78%と-79%)。

朝食で摂るタンパク質・多価不飽和脂肪・糖質の量と脳内出血のリスクとの間には関係が見られませんでした。

解説

飽和脂肪の摂取量は日米で大きく異なるのですが、これまでに日本で行われたコホート研究だけでなく米国で行われたコホート研究(女性を調査した)でも、朝食で摂る飽和脂肪の量が少ない人は脳内出血のリスクが高いという結果になっています。 今回の調査において朝食で摂るカロリーと脳内出血のリスクとのあいだに関係が見られたのが男性だけであった理由として、研究グループは次の2点を挙げています:
  1. 女性のデータは男性のデータに比べて、朝食で(特に脂肪で)摂るカロリーに関するデータの信頼性が低かった。
  2. 女性のデータは男性のデータに比べて、脳卒中の発生件数が少なかった。

朝食と脳内出血

朝食でカロリーを多く摂る人で脳内出血のリスクが低下するのには血圧が関係している可能性があります。

脳内出血は血圧が高いときに起こりやすく、その血圧は朝に目覚める1時間前から上昇し始め起床後2~3時間後にピークを迎えるのが一般的なパターンなのですが、この血圧上昇にはストレス・ホルモンの一種であるコルチゾールが関与しています。

そして、朝食を食べる習慣がある人はコルチゾールが少ないというデータがあります。 したがって、朝食で大量のカロリーを摂取する人はコルチゾールの分泌量が少なく、それゆえ朝に血圧が上がりにくく、そのために脳内出血になりにくいのかもしれません。