適量の飲酒であれば乳ガンの死亡率に悪影響を及ぼさない

(2013年4月) "Journal of Clinical Oncology" に掲載されたフレッド・ハッチンソンがん研究センター(米国)の研究で、乳ガンの病歴のある女性でもほどほどの量なら飲酒が可能であることが示されています。 乳ガンと診断される前あるいは診断された後の飲酒が、乳ガンの生存率に悪影響を与えていないと思われるのです。

それどころか乳ガンと診断される前に限れば、適度に飲酒(週に3~6回)していた人では、お酒をまったく飲んでいなかった人より乳ガンで死ぬリスクが15%減少していました。

さらに、11年間の追跡期間中において、乳ガンと診断される前後に適度に飲酒していた女性では心血管疾患で死亡するリスクが25%減少、そしてその他の原因で死亡するリスクが20%減少していました。

注意点
考えられる理由
飲酒によって乳ガンの発症リスクは増加するのに、乳ガンによる死亡率が減少するのは一体なぜでしょうか? 研究者は次のように推測しています:
「飲酒による乳ガンのリスクが増加するのは、飲酒によってエストロゲンの生産量が増加するのが原因だと考えられています。 このように飲酒(すなわちエストロゲンの増加)によって発生する乳ガンにはエストロゲンを減少させるホルモン療法が良く効くため、乳ガンによる死亡率が低いのかもしれません」
ひらたく言えば次のような意味でしょう:
  1. 飲酒によって治療がしやすいタイプの乳ガンの発生件数が増加する。
  2. そのタイプの乳ガンは治療しやすいために他のタイプの乳ガンに比べると死亡率が低い。
  3. そのため飲酒によって乳ガンの死亡率が下がるように見える。