運動に乳ガン患者におけるアジュバント療法の副作用を軽減する効果

(2015年4月) "Journal of Clinical Oncology" に掲載された Netherlands Cancer Institute(オランダ)の研究によると、乳ガンの化学療法を受けているときには運動習慣によって副作用(疲労感・吐き気・痛みなど)を減らせます。 そして副作用が減るので化学療法の用量を加減する(*)必要が無くなることもあります。
(*) 化学療法が患者にもたらす負担(副作用)は大変なものなので、患者によっては当初の計画通りに投薬できずに用量を減らさざるを得ないことがあります。

過去の研究でも化学療法による副作用の緩和に運動が有効であることは示されていました。 今回の研究では、副作用の緩和に最も効果的となる運動の種類を特定することを目的としました。

研究の方法
この研究では、アジュバント療法(主に腫瘍を切除した後に行われる化学療法)を受けている乳ガン患者230人を次の3つのグループに分けました:
  1. 理学療法士の監督の下で中強度の有酸素運動および筋力トレーニングのプログラムを行うグループ。
  2. 看護士の指導を受けつつ自宅で低強度の有酸素運動プログラムを行うグループ。
  3. 運動プログラムを行わないグループ。
結果

(3のグループに比べて)1と2のグループでは化学療法中に生じる疲労感・吐き気・痛みなどの副作用が軽減されていました。 2のグループよりも1のグループの方が副作用の軽減幅が大きくなっていました。

3のグループでは34%の女性で化学療法の用量の加減が必要となったのに対して、1のグループで化学療法の用量の加減が必要となったのは12%だけでした。

研究者は次のように述べています:

「以前は、化学療法を受けた患者は体を休めるようにと指示されていました。 しかし実際には、なるべく運動をする方が良いのです」

「今回の研究では低強度の運動であっても化学療法の副作用軽減に有効であることが示されました。 スポーツクラブにまで出向いて運動をするのが億劫な人にとって、これは良いニュースです。 全く運動をしないのに比べれば、少しの運動でも有益なのです」