Dawn Lemanne and Victoria Maizes. "Advising Women Undergoing Treatment for Breast Cancer: A Narrative Review"
レビューの要旨
- 乳ガンと診断された後には、植物性食品を中心とする食生活に切り替えると健康全般に有益だろう。
- 1日の最後の食事から翌日の最初の食事までの時間(1晩の絶食時間)が13時間(以上)となるように食事のタイミングを設定すると良い。(下記の「関連記事」を参照)
- 患者によっては、化学療法を受ける前日および当日に絶食すれば化学療法の副作用が軽減されるかもしれない。 ただし、絶食するか否かの判断は慎重に行わなくてはならない。
- 乳ガン患者は、飲酒量を減らすか禁酒することが推奨される。
- 乳ガン患者にオススメの食品は、アブラナ科の野菜(ブロッコリーなど)・コーヒー・緑茶・大豆・フラックスシードである。
- 乳ガンのタイプがエストロゲン受容体陽性である閉経後の患者は、糖質の摂取量を制限すると良いかもしれない。
- DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸はアロマターゼ阻害薬を使用している患者の骨密度に有益かもしれないが、化学療法が効きにくくなる恐れがあるかもしれない。
- 乳ガン患者向けのサプリメントとして有望なのは、ジインドリルメタン(アブラナ科野菜の成分)とメラトニンである。
- マルチビタミン/ビタミンD/ビタミンC/ビタミンEの乳ガン患者における有用性に関するエビデンスは弱い。逆効果となる恐れもある。
- 化学療法を受けている期間中に有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせた運動を行うと、生存率が向上する可能性がある。 リンパ浮腫が生じている患者は、ヨガを行うとアウトカムが改善する可能性がある。
- 乳ガンの治療を受けている時期に、瞑想・ヨガ・呼吸法・音楽療法などを行うと気分やQOL(生活の質)が改善される可能性がある。
- 乳がん治療の副作用(*)には指圧が有効である。
(*) ホットフラッシュ/アロマターゼ阻害薬による関節痛/化学療法による 末梢神経障害/外陰部痛など。