非合理的な予防的対側乳房切除を選択する人が多い

(2013年9月) "Annals of Internal Medicine" に掲載された研究によると、予防的対側乳房切除(CPM)によっては生存率が向上しないことを知っているにも関わらず、乳ガンの再発を避けようとして、あるいは生存率を上げようとして健康な乳房の切除を選択する若い女性が増えています。

研究の方法

この研究では、両方の乳房に乳ガンが発症していないにも関わらず、両方の乳房を切除した40歳以下の女性123人を対象に、健康歴と、CPMを選択した理由、乳ガンに関する知識および認識などに関するアンケートを実施しました。

123人の大部分がステージI またはステージII の乳ガンで、60%エストロゲン受容体陽性の腫瘍でした。

結果
主な結果は次の通りです:
  • 123人のうちの過半数が、初期の乳ガンの患者が乳ガンが原因で死ぬことはほとんど無いと知っていた。
  • 98%が、健康な乳房を切除した理由が対側乳癌(ガンが最初に発生した乳房でないほうに発生する乳ガン。 以下、"CBC")を予防するためであると回答した。
  • 94%が生存率を上げるために両乳房の切除を選択したと回答したにも関わらず、CPMで生存率が増加すると考えていたのは18%に過ぎなかった。
  • 調査対象となったほぼ全員が、CBC の実際のリスクを過大評価していた。
  • BRCA1 または BRCA2 の変異のある乳ガン患者は CBC のリスクを比較的正確に把握していまたが、変異の無い乳ガンの患者は CBC のリスクを相当に過大評価していた。
  • 乳ガンに関する情報源としては医師が最も重要であるとされていたものの、乳ガンに関する判断において医師の意見を最重要視すると回答したのは1/3に過ぎなかった。
解説

両方の乳房を切除した女性の多くは、乳房再建術を受けますが、この手術は大変なもので期間も長くかかるうえに、感染症や傷が治らないなどの合併症のリスクもあります。 ミネソタ大学の専門家によると、このような合併症が命に関わるほどのものであることは滅多にありませんが、合併症によって乳ガンの治療治療に差し障りが生じることがあります。

今回の結果から研究グループは、患者がエビデンスに基づいた決定を行えるように、リスクに関する患者とのコミュニケーションを強化する必要性があるとしています。