肥満の母親から生まれた子供が肥満しやすい理由は母乳にあり?

(2015年10月) 肥満の母親から生まれた子供が肥満しやすいことが知られていますが、"The American Journal of Clinical Nutrition" に掲載された南カリフォルニア大学などの研究によると、それは母乳の成分に違いがあるためかもしれません。 人乳オリゴ糖(HMO)という母乳の成分と乳児の体のサイズとの間に関係が見られたのです。
HMO
HMOは母乳に大量に含まれている複合炭水化物です。 消化されずに結腸にまで届き、そこでプレバイオティクスとして腸内細菌のエサとなり、腸内細菌叢の多様性に寄与します。 腸内細菌は子供の免疫系の発達に関与しています。
研究の方法

25組の母子を対象に、生後1ヶ月および6ヶ月の時点で母乳の検査と乳児の身体測定を行いました。 離乳食を食べ始めたかどうかは調べていません。

結果

母親が肥満かどうかや妊娠中の体重増加幅よりも、母乳に含まれるHMOの量の方が乳児の体重に大きな影響を及ぼしていました。

生後6ヶ月の時点で、LNFP2およびDSLNTというHMOが母乳に多く含まれていると乳児の体脂肪が多くなっていました。 その一方で、LNFP1が多く含まれていると体重と体脂肪が少なくなっていました。

解説

肥満している母親の母乳のHMOが成分構成的に肥満を促進しやすいために肥満女性の子供も肥満しやすいという可能性がありますが、今回の研究ではその点については調べていません。

HMOの成分構成の決定には遺伝子が関与していますが、食生活(例えば糖分や脂肪分の摂取量)も関与している可能性があります。