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母乳で育てられた子供では ADHD のリスクが減少

病気への抵抗力など、母乳が子供の健康にもたらす有益性は既に知られていますが、イスラエルのテル・アビブ大学が行った研究によると、母乳は注意欠陥・多動性障害(ADHD)のリスク減少にも有効です。

ADHD の症状は、集中困難、過活動、不注意などで、学業に支障を来たさないようにするには何らかの介入が必要となります。 ADHD は遺伝的要因によるものと考えられていますが、後天的な要因の可能性を指摘する研究も存在します。

今回の研究では、ADHDと診断された6~12歳の子供たち(以下、「ADHDグループ」)を、ADHD ではない子供たちの2つのグループと比較しました。

非ADHDグループの1つは、ADHDと診断された子供たちの兄弟姉妹(以下、「兄弟姉妹グループ」)で、もう1つは、自閉症ではない同年代の子供たち(以下、「非ADHDグループ」)でした。 ADHDグループとの比較対象に兄弟姉妹グループを加えたのは、ADHD児童とその兄弟姉妹では環境的および遺伝子的な要因が似通っていると考えられるためです。

これら3つのグループの子供たちの母親たちに、母乳を与えていた期間の長さについてアンケートで回答してもらいました。 このアンケートでは、母親の教育水準、心身の病歴、子供がADHDと診断される前に離婚していたか否か、母親自身がADHDであったか否かについても回答してもらいました。

アンケートの回答を分析した結果、ADHD児童は、非ADHD児童に比べて、母乳を与えられる率が低いことが明らかになりました。 生後一ヶ月の時点での母乳率が、ADHDグループで63%であったのに対して、兄弟姉妹グループでは79%、非ADHDグループでは86%だったのです。 さらに、生後半年の時点での母乳率は、ADHDグループで29%に過ぎなかったのに対して、兄弟姉妹グループでは50%、非ADHDグループでは57%でした。

同じ研究グループによる別の研究
上記の研究グループが同じような研究を再度行った結果が、"Breastfeeding Medicine" 誌に掲載されています。

こちらの研究では、生後6ヶ月~12歳の子供たちを次の3つのグループに分類して、授乳習慣に関するデータを比較しました: ①ADHD と診断された子供たち、②ADHD と診断された子供たちの兄弟姉妹(兄弟姉妹である本人はADHDではない)、③ADHD ではなく、さらに ADHD 遺伝子の遺伝的な要因も無い(兄弟にADHDの子供がいない?)子供たち。

データを分析した結果、母乳で育てられた子供では、ADHD を発症するリスクが明らかに減少していました。

  • ①のグループは、②や③のグループと比べて、生後1年間に母乳を与えられている率が、遥かに低かった。

  • 生後3ヶ月の時点で母乳を与えられていたのが、①のグループでは43%に過ぎなかったのに対して、②のグループでは63%、そして③のグループでは73%だった。

  • 生後3ヶ月の時点で人工乳を与えられていた子供では、ADHD になるリスクが母乳を与えられていた子供の3倍だった。

  • 生後6ヶ月の時点で母乳を与えられていたのは、①のグループでは29%、②のグループでは50%、③のグループでは57%だった。
こちらの結果も、母親の婚姻状態(既婚・未婚)や、両親の教育水準、妊娠中の合併症の有無、誕生時の体重、ADHD の遺伝的なリンク(家族歴のことでしょう)など、ADHD の発症に影響を与えると考えられる要因を考慮したうえでのものです。
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