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母乳で育てられた子供は肥満しにくい

(2015年3月) "PLOS ONE" に掲載された Robert Koch Institute(ドイツ)の研究で、母乳で育てられた子供は肥満しにくいという結果になっています。
Grube MM, von der Lippe E, Schlaud M, Brettschneider A-K (2015) Does Breastfeeding Help to Reduce the Risk of Childhood Overweight and Obesity? A Propensity Score Analysis of Data from the KiGGS Study. PLoS ONE 10(3): e0122534. doi:10.1371/journal.pone.0122534 (Licensed under CC BY 4.0)
研究の方法

この研究では、ドイツ在住の3~17才の子供 8,034人(このうち肥満の子供は 4,017人)の母親を対象に、子供が乳児のときに母乳を与えていた期間に関するアンケートを実施しました。

結果

乳児のときに4ヶ月超を母乳で育てられていた子供は、母乳で育てられる期間が4ヶ月未満だった子供(母乳で育てられなかった子供を含む)に比べて過体重(1度の肥満)になるリスク(ハザード比)が19%減、(2度以上の)肥満になるリスクが25%減でした。

ただし年齢層別に分析したところ、母乳育児による肥満リスクへの影響は7~10才のときに顕著(過体重のリスクは33%減、2度以上の肥満のリスクは44%減)で、それ以外の年齢層では統計学的に有意な影響は見られませんでした。
つまり、母乳育児の肥満リスクへの影響があったと言えるのは7~10才の時期だけだった。 母乳育児の肥満リスクへの影響は一時的なもの?

この結果は、母乳育児率や肥満リスクに影響する様々な要因(出生時体重や、父親または母親が肥満か否か、母親が子供を生んだときの年齢、一人目の子供か否か、両親の教育水準、世帯収入、母親の職業など)を考慮した後のものです。

結論
今回の結果から、母乳育児が子供の肥満リスク低減に有益だと思われますが、今回の研究には母乳育児の期間に関する情報が母親の記憶に基づいているなどの弱点があるため、今回の結果の解釈には慎重である必要があります。