ブロード・スペクトラム抗生物質の1/4は処方ミス

"Journal of Antimicrobial Chemotherapy"(2013年7月)に掲載された研究によると、米国の医師の60%以上が抗生物質を処方するときに、薬効範囲の広い(ブロード・スペクトラム)ものを処方しています。 ところが、このようなブロードスペクトラムの抗生物質が処方される25%のケースでは、感染症の原因が細菌ではなくウイルスであるため、薬効範囲の広い抗生物質であっても効果はありません(抗生物質は細菌にしか効きません)。

この研究では、2007~2009年にかけての診療 238,000件のデータを分析しました。 今回のデータは18歳以上の大人のものでしたが、子供の場合でも同様に薬効範囲の広い抗生物質が頻繁に処方されていると思われます。

抗生物質の濫用は、抗生物質が効かない耐性菌の発生の原因となります。 そうなると、抗生物質が本当に必要なときに効果を発揮せず、ありふれた感染症なのに治療が困難ということになるのです。

研究者は、抗生物質の使用が本当に必要なのかどうか、そして最善の選択肢であるのかどうかを、患者が医師に確認することを推奨しています。

おそらく、ナロースペクトラム(特定の細菌にのみ効果のある)の抗生物質を処方するときには、検査を行って原因菌を確定してから抗生物質を処方するので、感染症の原因がウイルスなのに抗生物質(ウイルスに効果が無い)を処方してしまうというケースは稀なのでしょう。(参考URL

そして、ブロードスペクトラムの抗生物質は、きちんとした検査をせずに処方するので、細菌の種類が不明などころか、感染症の原因が細菌ではなくウイルスなのに抗生物質を処方してしまうというケースが25%にものぼるのでしょう。

つまり、きちんとした検査をせずに不要に抗生物質を処方するために生じる耐性菌のリスクを問題視しているのだと思います。 ブロードスペクトラムのほうが副作用が強いといった話ではないようです。