ブロッコリーはカリフラワーや、キャベツ、青梗菜(チンゲンサイ)などと同じアブラナ科の植物で、花の蕾に当たる部分が食用となりますが、茎もカットして食べることが出来ます。 茎の固さが気になる場合には皮を剥いても良いでしょう。 ブロッコリーは加熱して食べることが多いのですが、生でも食べられないことはありません。
「ブロッコリー」という言葉の語源は、「キャベツに咲く花」といった感じの意味を持つ "broccolo" という語です。 形状が良く似ているカリフラワーはブロッコリーの仲間(どちらも Brassica oleracea という種に属する)ですが品種が異なります。
ブロッコリーの原産地はイタリアで、ローマ時代から野菜としての価値が認められていました。 ブロッコリーが英国に伝わったのは18世紀になってから、米国でイタリア系移民の手により普及したのは 1920年代になってからです。
ブロッコリーには食物繊維や、ビタミンK、ビタミンCが豊富に(*)含まれているほか、アブラナ科の野菜の中で最も多くのカロテノイド(特にルテインとβカロチン)が含まれています。
(*) 半カップのブロッコリーに含まれるビタミンCの量は52mg。
(†) ジインドリルメタンは免疫系に作用することによって抗ウイルス・抗細菌・抗ガン効果を発揮すると考えられています。
(‡) インドール-3-カルビノールは細胞のDNA修復を促進するほか、ガン細胞の成長を阻害すると思われます。ブロッコリーを食べることによって、健康効果が注目されているスルフォラファンという化合物(イソチオシアネートの一種)も摂ることができます。 スルフォラファンは、ブロッコリーの成分であるグルコラファニン(グルコシノレートの一種)とミロシナーゼ(酵素)という2種類の物質が反応することで作られます。
スルフォラファンは、ガン予防・肥満予防・関節炎予防・デトックス・自閉症の症状改善などの効果が期待されています。
ただし、グルコラファニンもミロシナーゼも保存や調理により壊れてしまうため、スルフォラファンを目当てにブロッコリーを食べる場合には扱いに注意が必要です。 (参考記事: ブロッコリーの健康効果を最大限に引き出す食べ方)
ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜には強力な抗炎症作用が期待できます。 炎症はガン・糖尿病・心臓疾患・うつ病など様々な病気に関与しています。
さらに、ブロッコリーの成分であるスルフォラファンに、発ガン性物質の有害性を低下させる遺伝子を活性化させたり環境汚染物質を体外へと排出させたりするデトックス(解毒)効果があるという研究も発表されています。
他にも様々な研究で、ブロッコリーが関節炎の予防・肝臓の健康維持・ダイエットなどに有効である可能性が示されています。 ブロッコリーを始めとするアブラナ科の野菜が腸内細菌の種類構成に働きかけて腸の健康増進に役立つという話もあります。