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歯磨きで女性の認知症リスクが減少?

(2012年8月) カリフォルニア大学による研究で、毎日の歯磨きで歯と歯茎が健康な女性は年を取ってから認知症になるリスクが減るという結果になりました。

5,500人近くの高齢者を18年以上にわたって追跡調査したところ、毎日は歯を磨かない女性は毎日磨く女性に比べて、最大で65%も認知症になるリスクが増加していたのです。 男性では歯磨き習慣の有無による違いは、ほぼありませんでした。

これまでの他の複数の研究で、認知症のひとつであるアルツハイマー病の患者では、平均的な人と比べて多量の歯周病菌が脳に見られることが判明していました。 歯周病菌が脳に入り込み、炎症を起こして脳に損害を与えるのではないかと考えられていました。

そこで、今回の研究では、長年の歯磨き習慣が高齢になってからの認知機能に及ぼす影響を調査しました。

研究の方法

研究の対象となったのは5,468人。 大部分が白人で、教育水準が高く、比較的裕福な人々でした。 年齢は、研究開始の時点で52歳~105歳。 平均年齢は81歳。 研究の期間は1992年から2010年までの18年間でした。

研究の開始時に、これら5,468人に、歯磨きの習慣と、歯の状態、そして総入れ歯かどうかなどのアンケートに回答してもらいました。 研究開始の時点において、認知症の人はいませんでした。

結果

追跡期間である18年間のうちに認知症となったのは 5,468人中 1,145人でした。 歯磨き習慣の認知症への影響は、男性と女性で大きく異なっていました。

女性では、研究開始の 1992年のアンケートで毎日は歯を磨かないと答えた女性78人のうち、2010年に認知症になっていたのは21人。 3.7人につき1人の割合です。 これに対して、少なくとも一日に一度は歯を磨くと答えた女性では、認知症になるのは4.5人につき1人の割合でした。 つまり女性では、歯を毎日磨かない場合に認知症になるリスクが65%増加するという結果でした。

一方、男性では歯を毎日磨くかどうかの違いはあまり顕著ではなく、毎日磨かない場合にも、認知症になるリスクは22%増加するだけでした。 この222%というのは、統計学的には誤差の範囲内です。

男性では、自分の歯または総入れ歯がちゃんとある人が認知症になるリスクは、歯の無い人の半分でした。 女性では何故かこのような違いは見られませんでした。

解説

今回の結果は、生活態度のきっちりしている人が認知症になり難いということではなく、口腔の衛生状態が良好であると認知症になり難いということを示しています。

ただしこの研究では、歯磨き習慣と歯の状態を口腔の健康状態や歯周病の有無の代わりの指標として用いようとしているうえに、考慮していない要因もあります。 そのため、この研究だけで口腔の健康状態が悪いと痴呆症になると断定はできません。