イジメは成人後の健康や経済状態にまで影響する

(2013年8月) "Psychological Science" 誌に掲載された研究によると、子供の頃にイジメ被害に会った人は、成人後に定職に就いたり人間関係を維持するのに苦労したりするほか、病気になるリスクも増加します。 つまり、イジメが成人後の経済的・人間関係的・身体的な問題の原因になるというわけです。

研究の方法

今回の研究では、1,420人のイジメ関係者を9~16歳の期間および成人後の24~26歳の期間にわたって4~6回調査しました。 「イジメ関係者」とは次の3種類の人たちのことです:

  1. イジメ被害者
  2. イジメ加害者
  3. イジメの加害者と被害者の両方になったことのある子供(以下「イジメ加害&被害者」)
子供がイジメを経験した後にイジメる側にまわるは感情の抑制が欠けていたり、必要なサポートを得られなかったためであるので、単なるイジメられっ子よりも問題が多いと考えられます。
結果

成人後に健康上の問題が生じるリスクが最も大きかったのはイジメ加害&被害者で、深刻な病気・喫煙習慣・精神疾患のリスクが、イジメと無縁であった人と比べて6倍以上になっていました。

また、3種類のグループのいずれでも、特定の仕事を続けることが難しかったり、節約が下手だったりするリスクが2倍になっており、そのために青年期に経済的に困窮する傾向にありました。

ただしイジメ加害者については、子供時代の精神医学的な問題や家庭環境などの要因を考慮すると、子供時代にイジメを行ったことによる成人後への悪影響はほとんど見られませんでした。

既婚・未婚や、子供の有無については、いずれのグループでも有意な違いは見られませんでしたが、長期的な友人関係や成人後の両親との良好な関係などの人間関係に支障をきたしている兆候が見られました。

研究者のコメント
研究者は次のように述べています:

「もはや、『イジメが成長過程における不可避的なものであって、実害も無いのだ』と済ませてはいられません。

そのように誤魔化すのを止めて、イジメが個人と社会の両方にとって深刻な問題であることを認める必要があります。 イジメは後々にまで深刻な影響を及ぼし続けるのですから」