利尿剤のブメタニドが自閉症症状の緩和に効果

(2012年12月) "Translational Psychiatry" 誌に発表されたフランスの研究で、ブメタニドという高血圧の治療薬が自閉症の症状緩和に有効だという結果になりました。 特に軽度の自閉症に有効でした。

ただし、ブメタニドに自閉症を治す効果まではありません。 また、ブメタニドの効果的な使い方を把握するために今後、大規模な研究を行う必要があります。

研究の背景

自閉症は、脳の神経伝達物質が正常に機能していないのが原因ではないかと考えられています。 γ-アミノ酪酸(GABA)もそのような神経伝達物質の1つですが、 ブメタニドにこのGABAの機能を変更する作用のあることが動物実験で確認されています。

研究の方法

今回の研究では、自閉症またはアスペルガー症候群と診断されている3~11才の子供たち60人に、ブメタニド1mgまたはプラシーボを毎日与えました。 研究期間の初日と90日目に、どの子供がブメタニドを与えられているかを知らない研究者が、ビデオテープの映像から自閉症の程度を判断しました。

結果

自閉症分析のツールを用いてブメタニドの効果を評価した結果、ブメタニドの効果は自閉症が軽度の子供で顕著でした。 具体的な効果は、視線を合わせる(アイ・コンタクト)ようになる・非言語的なコミュニケーションに改善が見られる・社会的コミュニケーションが改善されるなどでした。

研究グループは、ブメタニドがGABAに作用した結果、自閉症の症状が改善されたのだと考えています。

ブメタニドの副作用

ブメタニドの副作用は軽微ですがカリウムの体内量には注意が必要です。 今回の研究では、低カリウム血症になった子供が1人いました。

ブメタニドは自閉症の症状を抑えるだけで自閉症を根治させるわけではなく、服用を中止すると自閉症の症状が再び表れるため、無期限に服用し続ける必要があります。 そのため、長期的な服用の影響についても調査する必要があります。

ただし、ブメタニド自体は米国で既に使用が承認されているので、数年のうちに自閉症に対しても使用可能になると思われます。