「最新健康ニュース」のコンテンツを閲覧以外で利用する方は「引用・転載・ネタ探しをするときのルール」をご覧ください。

バターの健康への影響は中立的。 心臓病のリスクには全く影響せず糖尿病のリスクは微減

(2016年6月) "PLOS ONE" に掲載されたタフツ大学の研究(システマティック・レビュー)によると、バターはさほど体に悪くはありません。 総死亡リスク(*)との間に弱い関係が見られるだけで、心血管疾患(心臓病や脳卒中)になるリスクが増えることはなく、糖尿病になるリスクは少し減る可能性があります。出典: Little to No Association Between...参考: Is Butter Back?...
(*) 死因を問わない死亡リスク。
レビューの方法
バター摂取量と慢性疾患や総死亡リスクとの関係を調べた9つの研究のデータ(コホート(*)の数は15)を分析しました。 データに含まれる人数は合計63万6千人超(650万人年(†))でした。

(*) 調査対象となる集団。

(†) 人年(person year)=人数×年数
結果

データに含まれる死亡件数は2万8千件超、心血管疾患の件数は1万件近く、2型糖尿病の新規発症件数は2万4千件近くでした。

総死亡リスク

総死亡リスクを調べたコホートの数は9つ(38万人近く)で、バターを食べる量が1日あたり14g(テーブルスプーン1さじ分)増えるごとにを総死亡リスクが1%増えていました。

心血管疾患

心血管疾患になるリスクを調べたコホートの数は4つ(17万5千人)だけでしたが、バター摂取量と心血管疾患になるリスクとの間にまったく関係は見られませんでした(リスクの増加が0%)。

4つのコホートのいずれにおいても、バター摂取量と心血管疾患になるリスクとの間に統計学的に有意な関係は見られませんでした。

冠動脈疾患に限った分析(コホート3つ)でも、脳卒中に限った分析(コホート3つ)でも、バター摂取によるリスクの増加はまったく見られませんでした。

糖尿病

糖尿病になるリスクを調べたコホートの数は11(約20万人)で、バターを食べる量が1日あたり14g増えるごとにを糖尿病になるリスクが4%減っていました。

11のコホートのうちフィンランドのコホート(4,300人ほど)でのみ、リスクが4%増えていましたが、統計学的に有意な増え方ではありませんでした。

コメント
研究者は次のように述べています:
「バターをよく食べる人は食生活も生活習慣も不健全な傾向にありましたが、バター自体の健康への影響はほぼ中立的であるようです。 糖尿病や心血管疾患のリスク増加の一因となる白パン(全粒パンではない普通のパン)やジャガイモなどよりは健康的だが、マーガリンやサラダ油(*)よりは不健康であると言えそうです」
(*) 多価不飽和脂肪酸を含有する大豆油・菜種油(キャノーラ油)・オリーブオイルなど。 「ω6脂肪酸は健康に良くない?」や「大豆油は意外と健康的ではない?」などの研究もありますが...
別の研究者は次のように述べています:
「バターを食べる人で糖尿病のリスクが下がっていたという点については、今後の研究でさらに確認する必要がありますが、他の研究にも同様の結果になったものがあります」