(2015年8月) "Journal of Clinical Oncology" に掲載された Dana-Farber Cancer Institute の研究で、コーヒー(カフェイン抜きでないもの)を飲む習慣がある人では結腸ガンの再発リスクが低いという結果になりました。(出典: Drinking Coffee Daily May Improve Survival in Colon Cancer Patients)
結腸ガンの再発は大部分のケースにおいて5年以内に起こり、その期間を過ぎると一般的には再発しません。 ステージⅢ結腸ガンの患者ではガンが最初に発生した部位付近のリンパ節にガンが見られますが、それ以上の転移は見られません。 ステージⅢ結腸ガンの再発率は35%ほどです。
コーヒーを1日に4杯以上飲んでいた(カフェインにして約460mg以上を摂取していた)グループでは、コーヒーを飲む習慣が無いグループに比べて結腸ガンが再発するリスクが42%、そしてガンその他の原因で死亡するリスクが33%低下していました。
コーヒー飲用量が2~3杯/日のグループではこれらのリスクの低下幅が小さく、1杯/日のグループではほとんどリスクが低下していませんでした。
カフェイン抜きのコーヒー(デカフ・コーヒー)やお茶では、結腸ガンの再発リスクは下がっていませんでした。
研究チームによると、コーヒーで結腸ガンの再発・死亡リスクが下がるのは全面的にカフェインによるものだと考えられます。
カフェインによってインスリン感受性が増加してインスリンの必要量が減るために炎症が軽減されるためかもしれません。 炎症は糖尿病とガンに共通するリスク要因です。
複数の研究でコーヒーの飲用習慣により2型糖尿病のリスクが下がる可能性が示されていますが、2型糖尿病のリスク要因である肥満・運動不足・西洋型の食事・高インスリンなどは結腸ガンにも関与しています。
コーヒーのガン予防効果を調べた研究は数多く存在し、閉経後女性の乳ガン・肝臓ガン・メラノーマ・進行した前立腺ガンなどの発症リスクが下がるという結果になっていますが、カフェインの入ったコーヒーと結腸ガン再発リスクの関係を調べた研究は今回のものが最初です。
- 太らない
- 日常的に運動する(参考記事: 運動習慣で結腸ガン患者の生存率がアップ)
- ナッツ類を食べる(参考記事: ウォールナッツに大腸ガンを抑制する効果?)
- 健康的な食事をする