カルシウム・ベースのリン結合剤で心血管疾患リスクが増加

カナダでおこなわれた研究によると、腎臓疾患の患者が、血中リン濃度(phosphate level)を減らすためにカルシウム・ベースのリン結合剤を服用すると、カルシウム・ベースではないリン結合剤を服用した場合に比べて、死亡率が22%増加します。

専門家によると、血流中に吸収されたカルシウムが動脈の硬化を加速するために、心臓疾患と死亡のリスクが増加している可能性があります。 腎臓病患者においては心血管疾患が死亡原因として最大であることが過去の研究で明らかになっています。

研究者は次のように述べています:
「(腎臓病患者の)血中リン濃度の増加を防止するためにカルシウム・ベースのリン結合剤が処方されるのが一般的ですが、このようなリン結合剤によって心臓疾患のリスクが増加することを示す研究が増えています。

今回の研究もそのうちの1つですが、腎臓疾患におけるカルシウム・ベースのリン結合剤の服用による長期的な影響を示したという点が目新しいです」
この研究では、11の臨床試験(患者数合計4,600人)のデータを用いて、心臓発作や、脳卒中、動脈硬化などの心血管疾患のリスクと、カルシウム・ベースのリン結合剤を処方された腎臓病患者およびカルシウム・ベースでないリン結合剤を処方された腎臓病患者の死亡率を調べました。

その結果、カルシウム・ベースでないリン結合剤を処方された患者のほうが、動脈の石灰化(硬化)と死亡の率が22%少なかったのです。

研究グループは今回の結果から、腎臓病患者の血中リン濃度を下げるうえで、カルシウム・ベースでないリン結合剤を処方することを推奨しています。