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カルシウム・サプリメントで心血管疾患による死亡リスクが増加

(2013年2月)"JAMA Internal Medicine" に掲載された米国の研究で、カルシウム・サプリメントを服用している男性は心血管疾患(心臓病や脳卒中)で死亡するリスクが増加するという結果になりました。

研究の概要
方法

この研究では、50~71歳の中高年の人たち 388,229人に、ライフスタイル、健康状態、食事、サプリメントの使用などに関するアンケートに回答してもらいました。 アンケートにおいて、カルシウム・サプリメントまたはカルシウムを含有するサプリメントを服用していると答えたのは、男性では51%、女性では70%でした。

結果

被験者のうち、12年間の追跡調査期間中に心血管疾患が原因で亡くなったのは 11,778人(男性7,904人、女性3,874人)でした。

カルシウムを1日当たり 1,000mg 以上服用していた男性では、心臓関連のトラブルが原因で死亡するリスクがカルシウム・サプリメントを服用していない男性に比べて20%増加していました。

その一方で女性では、このような現象は見られませんでした。 また、飲食物経由で摂取されるカルシウムに関しても、心臓疾患による死亡のリスク増加は見られませんでした。

留意点

今回の研究では、カルシウム・サプリメントと心臓トラブルの因果関係までは証明されていないので、カルシウム・サプリメントを服用している男性で心臓トラブルのリスクが増加している原因がカルシウム・サプリメント以外の何かにある可能性も否定できません。

今回の研究に参加しなかった専門家は、生物学的には、カルシウム・サプリメントで男性でのみ心臓トラブルのリスクが増加するのは説明がつかないとしています。 さらに、今回の研究結果に関わらず、食事から得られるカルシウムが不足している高齢者においては、カルシウム・サプリメントが骨粗鬆症の予防などに有効であると考えられると述べています。

女性ではどうなのか?

"British Medical Journal" (2011年4月)に発表されたニュージーランドの研究では、カルシウム・サプリメントを服用している高齢の女性において、心血管トラブルのリスクが増加するという結果になっています。

さらに、女性を対象に行われた研究で、カルシウムの摂取量が多過ぎたり少な過ぎると心血管疾患で死亡するリスクが増加するという結果になったものもあります。 その研究によると、カルシウムの摂取量は食事とサプリメントの合計で 600mg/日~1000mg/日の範囲内が望ましいようです。 600mg/日~1000mg/日という摂取量は、日本のカルシウム摂取量の基準(ページ下部の表)と似通っています。

マグネシウムの摂取がポイント

人体がカルシウムを適切に吸収・使用するうえで、鍵となるのはマグネシウムとビタミンDです。 マグネシウムを十分に摂っていないのにカルシウムばかりを大量に摂取すると、過剰なカルシウムは動脈の石灰化、ひいては心臓発作や心血管疾患の原因となります。

水道水にマグネシウムが豊富に含まれる地域では心臓発作が少ないことは、少し前から知られています。 マグネシウムは動脈を拡張して血圧を下げる効果があります。 心臓発作になったときにマグネシウムを投与すると心臓の鼓動が正常に戻ります。

マグネシウムはカルシウムの調節にとって特に大切です。 カルシウムには肉体年齢を若返らせる効果がありますが、カルシウムが適切に吸収されるように十分な量のマグネシウムを摂取することも重要です。