カルシウムとビタミンDのサプリメントの骨折・転倒予防の効果と副作用に関する欧州的まとめ

(2016年11月) ESCEO(*)とIOF(†)がカルシウム(とビタミンD)のサプリメントの効果と副作用を調べたこれまでの研究のデータを評価した結果が "Osteoporosis International" 誌に発表されています。

(*) European Society for Clinical and Economic Aspects of Osteoporosis, Osteoarthritis and Musculoskeletal Diseases(欧州の学会であって骨粗鬆症・骨関節炎・骨格筋疾患の臨床的および経済的な側面を研究対象とするもの)

(†) International Osteoporosis Foundation(国際骨粗鬆症財団)
発表の概要
骨折

カルシウムのサプリメントをビタミンDのサプリメントと併用すると骨折のリスクがそこそこ下がるが、カルシウムのサプリメントだけで骨折のリスクが下がるというデータは十分ではない。

カルシウムとビタミンDのサプリメントを飲んで骨折リスク低下の効果を得られると思われるのは、カルシウムおよび/またはビタミンDが不足しがちな人たちである。 他の人たちでは、このようなサプリメントを飲んでも効果が無い可能性がある。

転倒

カルシウムは筋肉に深く関与しているものの、転倒のリスクを下げるにはカルシウムのサプリメントを服用するよりも、ビタミンDの補給量を適正に保つのが良いと思われる。

副作用

カルシウムのサプリメントは、胃腸関連の副作用の恐れがあるほか腎結石のリスクも僅かに増加する。

カルシウムのサプリメントとビタミンDのサプリメントを同時に服用すると心臓病や脳卒中のリスクが増加するという意見があるが、この意見を支持する十分なデータは存在しない。 これらのサプリメントを服用しても心臓病や脳卒中のリスクは増加しないという結果になった研究があるどころか、これらのサプリメントの服用により心臓病や脳卒中のリスクが低下するという結果になった研究すら存在する。

まとめ
次に該当するには、カルシウムやビタミンDをサプリメントで補給すると良いと思われる:
  • カルシウムやビタミンDが不足している恐れが強い場合
  • 骨粗鬆症の治療を受けている場合
カルシウムのサプリメントについては大規模な試験を今後行って、骨折予防のメリットと心臓病・脳卒中のリスクというデメリットを明確にする必要がある。