(2018年10月) "Journal of Clinical Medicine" に掲載された慶熙大学校(韓国)の研究で、男性に限り、高齢者の脹脛(ふくらはぎ)の太さと虚弱(フレイル)および認知機能との間に関係が見られるという結果になりました。
研究の方法
韓国に住む70~84才の男女 1,221人を対象に、脹脛の太さ・虚弱の有無・認知機能障害の有無を調べました。
結果
虚弱と認知機能障害の両方が生じている人の割合は、男性で2.8%および女性で3.8%でした。
男性では、虚弱と認知機能障害の両方が生じているグループは虚弱も認知機能障害も生じていないグループに比べて、脹脛(いちばん太い部分。皮下脂肪も含む)の太さが32cm未満であるリスクが10.9倍でした。
女性では、脹脛の太さと虚弱および認知機能障害の有無とのあいだに明確な関係は見られませんでした。
今回の結果では、95%CIの範囲が広い(2.87–41.68)のが気になりました。 95%CIの範囲が広いのはデータ不足の兆候です。
脹脛の太さ
経済産業省が 2004~2006年にかけて調べたデータによると、日本の女性の脹脛のサイズの平均は男性で脹脛の36~38cm(年齢により異なる)程度および女性で34~35cmです。
今回の韓国のデータでは、男性高齢者で30.5cm(虚弱で認知機能障害)~34.8cm(壮健で認知機能も正常)、女性高齢者で31.7cm~33.1cmという脹脛の太さでした。
脹脛の太さは体格により異なり、体が大きいほど太くなります。 ちまたでは、脹脛の太さの目安は「身長×0.2」だと言われています。