カロリー制限で抗ガン剤が白血病に効くようになる(2/2ページ)

結果

ABT-737 による治療もカロリー制限も、単独ではマウスの生存率増加に寄与していませんでした。 しかし、ABT-737 による治療とカロリー制限を同時に行ったグループ(③のグループ)では生存率が増加していました。

生存期間の中央値(最も該当マウス数が多い値)が、①のグループでは33日間、②のグループでは30日間、そして④のグループでも30日間だったのに対して、③のグループでは41日間だったのです。

実験から少し経った時点での調査で③のグループにおいて血中のリンパ腫の数が減少していたことから、カロリー制限によってリンパ腫に ABT-737 が効くようになることが示唆されます。 さらに、その後の検査では、Mcl-1 のガンに関連する活性が減少していることも確認されました。

カロリー制限効果の確認

研究グループは次に、2-デオキシグルコースとロニダミンという2種類のカロリー制限模倣物質(投与することでカロリー制限を行ったのと同様の効果を発揮する化学物質。 つまり、ダイエット薬のようなものでしょうか)を ABT-737 と組み合わせた場合の効果を、マウスから採取したリンパ腫細胞で試験してみました。

その結果、カロリー制限模倣物質と ABT-737 の組み合わせでも、Mcl-1 のタンパク質翻訳(遺伝子情報に基づいてタンパク質を合成すること)が阻害されていました。 これにより、カロリー制限によって Mcl-1 の発現が減少し、リンパ腫細胞に ABT-737 が効くようになっていたことが確認されました。

研究グループは今後、リンパ腫に対する抗ガン剤の効果に影響しているのが、カロリーのうちの脂肪なのか、それとも糖分なのか、あるいは別の化合物であるのかについて調べる予定です。