カロリー制限は霊長類においても寿命を延ばす効果があるのか? (レビュー)

(2018年8月) トゥールーズ大学(フランス)の研究者が霊長類におけるカロリー制限と寿命の関係に関して考察したレビューを "BioEssays" 誌に発表しています。
Eric Le Bourg "Does Calorie Restriction in Primates Increase Lifespan? Revisiting Studies on Macaques (Macaca mulatta) and Mouse Lemurs (Microcebus murinus)"

レビューの要旨

  1. カロリー制限で寿命が延びるかどうかを(線虫などの下等動物ではなく)霊長類で調べた研究としては、アカゲザル(ニホンザルに近い猿)を用いたものが1つとネズミキツネザルを用いたものが2つ、これまでに行われている。
  2. この3つの研究ではいずれも、(カロリー制限により)寿命が延びるという結果になっている。
  3. しかし、レビューの著者は「こうした結果は、カロリー制限をしたグループで寿命が延びたのではなく比較対象用のコントロール・グループで寿命が縮んだためではないか?」と考えている。 コントロール・グループで寿命が縮んだ理由は、コントロール・グループの食生活が劣悪だったりカロリー摂取量が多すぎたりしたというもの。
  4. こうした霊長類での研究の結果がそのままヒトに当てはまるとすれば、太っていない人がカロリー制限をしても寿命が延びることは期待できないが、カロリー摂取量が過剰な肥満者がカロリー摂取量を減らす場合には寿命への効果がある程度は期待できるかもしれない。