心臓病や脳卒中の予防に適したカロリー源の順位

(2016年8月) "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたハーバード大学などの研究によると、乳脂肪などの動物性脂肪の代わりに野菜油あるいは多価不飽和脂肪酸(PUFA)を摂るようにするのが心血管疾患(心臓病や脳卒中)の予防に有効かもしれません。

野菜油とPUFA

PUFAとは、オメガ3脂肪酸(DHAやEPA)やオメガ6脂肪酸のことです。 オメガ3脂肪酸は脂肪分が多い魚や菜種油などに豊富に含まれています。 オメガ6脂肪酸はコーン油・大豆油・綿実油・ひまわり油などに多く含まれています。

野菜油は種類によって含有する脂肪酸の種類が大きく異なりますが、植物性のオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)やオメガ6脂肪酸のほか、一価不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸なども含んでいます。

研究の方法
米国に住む約22万人の男女(約80%が女性)を対象に心血管疾患の発生状況を追跡調査したデータを分析しました。 追跡期間中の食事脂肪の摂取量は4年おきにアンケートにより調査しました。 データの量は516万人年ほどでした。
(*) 人年=人数×年数。 したがって追跡期間は20年間超でしょう。
結果

追跡期間中に発生した心血管疾患の症例数は1万5千件ほどで、そのうち9千件近くが冠動脈疾患、6千件近くが脳卒中でした。

乳脂肪と糖質

様々な要因を考慮に入れた分析において、一定のカロリーを乳脂肪と糖質(果物と野菜を除く)のどちらで摂取しても、心血管疾患全体・冠動脈疾患・脳卒中のいずれのリスクも増加しないという結果でした。

乳脂肪とPUFAまたは野菜油

乳脂肪で摂るカロリーのうちの5%をPUFAまたは野菜油で摂った場合の心血管疾患のリスクを推算したところ、カロリーの5%ををPUFA摂るようにする場合には24%、野菜油で摂るようにする場合には10%、心血管疾患のリスクがそれぞれ低下するという結果になりました。

乳脂肪と乳脂肪以外の動物性脂肪

乳脂肪以外の動物性脂肪(ラードや牛脂など)で同様の推算をしたところ、乳脂肪を乳脂肪以外の動物性脂肪で摂るようにすると心血管疾患のリスクが6%増加するという計算になりました。

順位のまとめ
今回の研究によると、各種のカロリー源は次の順で心臓・血管の健康に良いということになります(カッコ内の数字は最下位とのパーセンテージの差)。
  1. PUFA(+30)
  2. 野菜油(+16)
  3. 糖質・乳脂肪(+6)
  4. 乳脂肪以外の動物性脂肪(0)