運動で燃焼するカロリーは意外に少ない

運動をしているのに体重が減らないという人は、摂取カロリーに対して運動量が少ない可能性があります。 例えば、ドーナッツ1個分のカロリーを運動で消費しようとすれば、大変な距離を歩いたり走ったりする必要があるのです。

米国運動協会の専門家は次のように述べています:
「人は、自分の運動量を過大評価する傾向があります。 そのために、ちょっとしか運動をしていないのに、「とりあえず運動はしたんだし」と思って、運動で消費したカロリー分以上のカロリーを摂取してしまうのです」

米国では中強度の運動を週あたり150分程度行うことが推奨されていますが、カンザス大学の運動生理学者によると、この基準はあくまでも心血管の健康を念頭に置いたものであって、ダイエットにおいては、この程度の運動量では全く足りません。

米国のダイエット関連データベースによると、30ポンド(13kgぐらい)以上のダイエットに成功し、減量後の体重を1年以上維持した人たちの90%は、1日あたり平均1時間も運動をしています。 この研究者の話では、ダイエット目的で運動をするのであれば、少なくとも週あたり250~300分の運動量が必要であり、150分/週では、せいぜい現在の体重を維持できる(それ以上増やさない)程度です。

オーバーン大学の運動生理学者によると、1ポンド(約450グラム)の脂肪で、3,500 kcalあります。 これに対して、フルマラソン(42km)でも消費カロリーは 2,600 kcalでしかありません。

現在推奨されている運動量はダイエットには不十分

"British Journal of Sports Medicine"(2014年5月)に掲載されたノルウェーの研究でも、現在米国で推奨されている運動量ではダイエットに不十分であることが示されています。

現在米国で推奨されている運動量は、中強度の運動であれば150分/週、高強度の運動であれば60分/週というもので、この基準は成人病を予防するためのものであって体重の増加を抑制するためのものではありません。

研究の方法

この研究では、19,000人超の成人男女の運動習慣を22年間のうちに3回評価しました。 22年間のあいだに平均で、女性では約8.5kg、男性では約7.65kg、それぞれ体重が増加していました。

結果

22年間の前半および後半の両方で体重が増加するのを回避できていた人は、推奨される運動量を超える運動量のを行ったグループにのみ存在していました。 推奨以上の運動量だった人の中にも体重が増加している人がいました。 ただし、運動量と体重増加量はやっぱり反比例の関係にあり、推奨運動量以上に運動していたグループに比べて、運動をしていなかったグループでは体重が女性で約5.6kg、男性で約3.6kg余分に増えていました。

解説

この研究では食事の量を考慮していません。 この研究ではどれだけ運動すれば十分であるのかはわかりませんが、2010年に発表されたハーバード大学の研究によると、中年女性が体重の増加を抑えるには中強度の運動を毎日1時間以上行う必要があると考えられます。

今回の研究者と2010年のハーバード大学の研究を行った研究者は口を揃えて、「少しの運動であっても運動をしないよりは良い」と言っています。