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ガン患者の鬱病を判定するには2つの質問で十分

(2013年9月) 米国放射線腫瘍学会で発表されたノースウェスタン大学の研究で、2つの簡単な質問でガン患者の鬱病を判定できることが明らかにされました。 この研究によると、2つの質問によるチェックは、9つの込み入った質問によるチェックと同程度に正確でした。

鬱の判定方法
2つの質問というのは次のようなものです:
  • 過去2週間において、物事に興味を持てなかったり、何をしても喜びを感じられなかったりすることがありましたか?
  • 過去2週間において、気分が落ち込んでいたり、憂鬱だったり、希望を感じられなかったりすることがありましたか?

これらの質問に関して、患者に4段階評価で回答してもらいます: 「まったくなかった」が0点、「何日かあった」が1点、「2週間のうち半分以上において、そういう状態だった」が2点、「ほぼ毎日そうだった」が3点。 2つの質問の合計点数が3点以上になった患者は、鬱病である可能性があります。

今回の研究

この研究ではまず、放射線治療を受ける前、または放射線治療を初めて受けてから2週間以内のガン患者455人を対象に、上記の2つの質問(以下「簡易質問法」)による鬱病チェックを行いました。 その結果、16%が鬱病でした。

次に、簡易質問法で鬱病と判定された16%の患者たち、および簡易質問法で鬱病ではないと判定された人の中からランダムで選ばれた患者たちを対象に、鬱病診断のゴールドスタンダードとされている SCID という診断法を用いて鬱病の判定を行いました。 SCID とは、"Structured Clinical Interview for DSM IV Disorders" の頭字語です。

簡易質問法で使われる2つの質問は、"Patient Health Questionnaire" という鬱病診断ツール(SCID とは別のもの)の9つの質問のうちの最初の2つですが、今回の研究によると、簡易質問法の2つの質問だけで、9つの質問全部と同程度に正確な判定が行えます。 統計学的に言えば、質問が2つの場合でも9つの場合でも、曲線下面積(AUC)が 0.83 だったのです。 AUCは、テストの信頼性が100%であるときに1となります。

さらに、簡易質問法は、Hopkins Symptom Checklist(AUC: 0.79) および National Comprehensive Cancer Network Distress Thermometer(AUC: 0.60) よりも正確でした。

鬱病チェックの実施率

また、この研究で対象となった病院では、放射線治療を受ける患者に対して定型的に鬱病チェックをしている病院は78%、そのうち、初回の診察で鬱病チェックを実施しているのは51%でした。 放射線治療加えてメンタル・ヘルスのケアもしている病院は68%でしたが、そのうちの67%にはソーシャルワーカーしかおらず、心理士(感情面の問題や個人的な問題について患者やその家族の相談相手となる専門家)がいる病院は17%、そして精神科医がいる病院は22%でした。

今回の研究によりガン患者の鬱病判定が簡単に行えることが明らかになったことで、ガン患者の鬱病をチェックする病院が増えることが期待されます。