ガンの化学療法を終了した後に運動するとT細胞が活性化

(2012年10月) "The Integrative Biology of Exercise VI" で発表されたネブラスカ大学などの研究によると、化学療法を終了したガン患者は、数ヶ月運動することで免疫系が回復し機能が向上する可能性があります。 今回の研究結果は、運動によりガンの罹患や再発が有意に減少するというこれまでのデータと合致します。

研究の内容

この研究では、ガン患者16人に12週間の運動プログラムに参加してもらい、その前後で血液中のT細胞を比較しました。 その結果、運動プログラムを終えた後には16人の過半数においてT細胞のかなりの部分が老化T細胞からナイーブT細胞に転換していました。

老化T細胞とナイーブT細胞

T細胞はガン細胞を殺してくれます。 ただし、ガンや感染症に対しては老化T細胞よりもナイーブT細胞の方が有効です。 運動によって老化T細胞が除去されることで、ナイーブT細胞が作られる余地が出来ているのだと考えられます。

これまでの研究で、運動により①数種類のガンの発症リスクが減少する、②ガン患者の予後が改善される、および③ガンの再発・転移のリスクが減少する可能性が示されていますが、今回の発見はその仕組みの解明につながるかもしれません。

運動の内容

今回の研究で実施された運動プログラムの内容は、有酸素運動、筋力トレーニング、柔軟体操、バランス体操など各個人に合わせたもので、特に弱い部分を重点的に補うようにしました(例えば、体が硬ければ柔軟体操などでしょうか)。

研究者のコメント
研究者によると、運動は全ての人においてガンのリスクを下げてくれますが、ガン患者や、ガンの病歴がある人においては特に有益です。