原発不明ガン患者の血縁者で特定の部位のガンのリスクが増加

(2015年12月) "JAMA Oncology" に掲載された Huntsman Cancer Institute(米国)の研究によると、原発不明ガン(CUP)の患者の血縁者はCUPおよび肺ガン・膵(すい)臓ガン・結腸ガン・一部の血液ガンのリスクが増加します。

CUPとは

ガンは一般的に体の一箇所に発生したものが他の部分に広がりますが、ガン患者全体の3~5%では最初にガンが発生した場所が不明です。 ガンが他の場所に転移した後にガンと診断されるためです。

このように最初の発生場所が不明なガンのことを、原発不明ガン(Cancers of Unknown Primary)と呼びます。

CUPはガンが最初に発生した場所が不明であるため、効果的な治療法の特定が困難です。 治療法の選択が難しいうえにガンが進行した状態で発見されるためにCUPは予後が非常に悪く、診断後の平均生存期間は3ヶ月ほどです。

CUP患者の血縁者にとっても、自分たちが今後どのガンに気をつければいいのかがわかりません。

研究の方法
1980~2010年の間にCUPと診断された患者 4,160人とその血縁者(*)のデータを用いて、CUP患者の血縁者とコントロール・グループ(†)とで各種ガンのリスクを比較しました。

(*) 第一度近親者・第二度近親者および従兄弟/姉妹(いとこ)。

(†) 血縁者のグループと比較するために用意されたグループ。 健康な人たちの中から様々な要因が血縁者グループと釣り合うように選出した。
結果
コントロールグループに比べてCUP患者の第一度近親者では、CUPのリスクが35%・肺ガンのリスクが35%・膵臓ガンのリスクが28%・大腸ガンのリスクが20%増加していました。
「遠い血縁者でも特定のガンのリスクが増加していた」と研究者が述べているので、第二度近親者や従兄弟/姉妹でもいくらかはリスクが増加していたのでしょう。
CUPの原発部位?

研究者によると今回の結果から、CUP患者の少なくとも一部では肺・膵臓・結腸が原発部位である可能性が示唆されます。

アドバイス
肺ガンと膵臓ガンは喫煙がリスク要因です。 したがってCUP患者の血縁者は喫煙を控えると良いでしょう。 結腸ガンについては定期的にガンの検診を受けることが推奨されます。