カプサイシンにより白色脂肪の褐色化が促進されるメカニズム

(2015年2月) "Biophysical Society's 59th Annual Meeting" で発表予定であるワイオミング大学(米国)の研究で、トウガラシの成分であるカプサイシンによって白色脂肪の褐色化が促進されるメカニズムの解明が進みました。

この研究で行われたマウス実験において、普通のマウスにカプサイシンを0.01%含む高脂肪のエサを与えると代謝が活性化してエネルギー消費が増加したために体重が増えなかった一方で、遺伝子改造により TRPV1 を欠如させたマウスではカプサイシンを含有するエサを与えても代謝が活性化しなかったのです。

TRPV1(transient receptor potential vanilloid 1)はカプサイシンの受容体として知られるチャネル・タンパク質で、白色脂肪および褐色脂肪に見られます。

この結果から、カプサイシンが TRPV1 を介して白色脂肪の褐色化を促進している可能性があると考えられます。

「カプサイシン ⇒ エネルギー消費増加」という関係が見られるのが、白色脂肪と褐色脂肪に備わる TRPV1 受容体が存在するときだけなので、この関係には「TRPV1 ⇒ 褐色脂肪活性化」というプロセスが介在していて全体としては「カプサイシン ⇒ TRPV1 ⇒ 褐色脂肪活性化 ⇒ エネルギー消費増加」というプロセスになるのではないかということなのでしょう。

"American Journal of Clinical Nutorition" に掲載された北海道大学の2012年の研究でも、カプシノイドに褐色脂肪組織の活性化を通じてエネルギー消費を増加させる作用があると結論付けられています。 カプシノイドはカプサイシンの類似体(ある物質と類似しているが同一ではない物質)で、カプサイシンと同様にトウガラシの成分です。