心臓の機能が衰えている人では認知症のリスクが増加

(2015年3月) "Circulation" 誌に掲載されたバンダービルト大学(米国)の研究によると、心臓の健康を維持するのが認知症の予防において有益かもしれません。 この研究において、心臓の機能が衰えている人では認知症になるリスクが2~3倍に増加していたのです。

研究の方法
1,039人の男女(69±6才。53%が女性)を平均7.7年間にわたって追跡調査し、心係数と認知症発症リスクとの関係を調べました。
心係数
心係数(Cardiac index)は、体のサイズと心臓から送り出される血液の量から割り出される値で、心臓の健康の尺度として用いられます。 心係数が低いというのは、心臓から送り出される血液の量が少ないということです。 心係数の単位は「L/min/m2」。 「心指数」とも呼ばれる。
結果

追跡期間中に認知症になったのは32人で、そのうちの26人がアルツハイマー病でした。 心係数が通常範囲内にあるグループに比べて、心係数が臨床的に低いグループ(全体の約1/3)では認知症のリスクが2倍に増加していました。

さらに、心血管疾患(心臓病や脳卒中)または心房細動の病歴がある人たち(184人)を除いて分析すると、心係数が低いグループでは認知症のリスクが3倍に増加していました。

研究者は次のように述べています:

「心臓病によって認知症やアルツハイマー病のリスクが増加すると考えていましたが、(結果はその逆で)心血管疾患の患者を除いた分析では(心係数が低いグループにおける)認知症のリスクが増加していました」

「心係数が低い人では、脳へと届けられる酸素と栄養が微妙に少ないという状態が数十年ほども続いていて、そのために認知症のリスクが増加していたのかもしれません」

「心臓の健康状態というのは、認知症の遺伝子的なリスク要因と違って、運動習慣や食事内容の改善などにより自分である程度左右することができます」