心臓発作・脳卒中予防でアスピリンを飲むのは寝る前がよい

(2013年11月) 米国心臓協会の会合で発表される予定であるオランダの研究によると、心臓発作や脳卒中を予防する目的でアスピリンを常用する場合には、寝る前に飲むのが良いと思われます。

解説

アスピリンには血小板に作用して血栓の形成を阻止する効果があるため、心臓発作や脳卒中のリスクが高い人たちの間でアスピリンを常用するケースが増えつつあります。

アスピリンの血小板への作用は持続時間が長く、一回飲み忘れたくらいでは血栓を防止する作用は失われませんし、逆に手術をする前には手術の5~7日前からアスピリンの服用を停止するように指示されるほどです。関連記事: 小さな手術ならアスピリンやワルファリンの服用を継続できる それゆえに、アスピリンを服用するタイミングについての研究は、これまで行われていませんでした。

ところが今回の研究では、アスピリンは朝に起床したときよりも就寝前に飲むほうが、血小板の活性を抑える効果が強くなることが明らかになりました。 その理由としては、起床時に血小板の活性が増大する前にアスピリンが体内で効果を発揮しているからではないかと考えられます。

心臓発作や脳卒中などの心血管イベントが朝(起床時)に多く発生することは1980年代から知られていました。 血液を凝固させる作用を持つ血小板の活性が起床時にピークとなるのが理由だと考えられています。

研究の内容

心臓発作を起こしたことがあってアスピリンを常用している人たち300人近くを2つのグループに分けて、半年(3ヶ月間×2)にわたって、一方のグループにはアスピリン(100mg)を起床後に服用してもらい、もう一方には就寝前に服用してもらいました。

結果

アスピリンを寝起きよりも寝る前に飲んだ方が効果が高く、さらに胃の不快感などの副作用も少ないという結果でした。

以前に行われたスペインの研究では、寝る前にアスピリンを飲むことで血圧が下がるという結果が出ていましたが、今回の研究では、寝る前に飲んだグループと日中に飲んだグループとの間で血圧に違いは見られませんでした。

今回の研究の欠点

米国心臓学会によると、今回の研究には被験者数が非常に少ないという大きな弱点があります。 そして、アスピリンを日中ではなく寝る前に飲むことが(血小板の活性を抑える作用が向上するにしても)アスピリンの心臓発作・脳卒中予防効果の向上につながることまでは今回の研究では確認されていません。

アドバイス
今後の研究でアスピリン服用のタイミングの有効性が確認されるまでは、これまで通り好きなタイミングでアスピリンを服用しても良いでしょう。