自動車のサイドガラスから入ってくる紫外線に要注意

(2016年5月) "JAMA Ophthalmology" に掲載された Boxer Wachler Vision Institute(米国)の研究で、自動車のフロントガラスに比べてサイドガラスは紫外線A波(UVA)を防ぐ率がフロントガラスより低いという結果になりました。

ドライバーのサイドガラスに近い側の眼や顔に白内障や皮膚ガンが多かったりするのも、サイドガラスの紫外線を防ぐ能力が低いためだと考えられます。

研究の方法

15の自動車メーカーの29の車種を対象に、車外・フロントガラスの車内側・サイドガラスの車内側の3箇所でUVAの照射量を測定しました。 試験対象となった自動車の製造年は 1990年~2014年(平均 2010年)でした。

結果

UVAが遮断される率がフロントガラスでは平均96%だったのに対して、サイドガラスでは71%でした。 主な車種のUVA遮断率は次のようなものです:

車種 フロント サイド
ホンダ Civic(2008年) 97% 68%
ホンダ CRV(2010年) 97% 60%
ホンダ アコード(2012年) 98% 71%
ホンダ アコード(2013年) 97% 71%
BMW 535ⅰ(2012年) 96% 63%
BMW 320ⅰ/328ⅰa(2013年) 97% 55%
ベンツE550(2009年) 96% 44%
ベンツ 5550(2013年) 96% 95%
レクサスRx330(2005年) 95% 76%
レクサスRx350(2011年) 96% 94%/96%
トヨタ カローラ(2014年) 96% 67%
トヨタ プリウス(2014年) 96% 79%

その他の車種のサイドガラスUVA遮断率は、アウディの3車種(いずれも 2014年)が59~64%、ヴォルクス・ワーゲン Golf(2014年)が82%などでした。

サイドガラスのUVA遮断率が最も低かったのはベンツE550の44%で、最も高かったのはレクサスRx350の96%、次いでベンツ 5550の95%でした。

自動車の頑丈さが国内用と輸出用で異なる(輸出用の方が頑丈に作られている)という話を聞いたことがあるので、UVA遮断率についても日本国内で販売されている車は上記の表とは違っているかもしれません。
紫外線の種類について

紫外線は波長の長さによって紫外線A波(UVA)・紫外線B波(UVB)・紫外線C波(UVC)の三種類に分類されます。

このうちUVCは大気に吸収されてしまうので人体への影響はほとんどありません。 残る二種類のうちUVAは肌の老化・皮膚ガン・白内障などの原因になり、UVBは日焼け・メラノーマ・基底細胞がんの原因になります。参考: UVカット製品におけるSPFの本当の意味

UVAの性質の悪さ

UVBは体に当たるとビタミンDが作られるので人体にとって有益な面もありますが、UVAは人体にとって百害あって一利なしの紫外線です。

そしてそのUVAは波長が長いために雲やガラスにもあまり吸収されません。 つまり曇りの日やガラス越しであってもUVAは、ビタミンDは作ってくれないのに肌にダメージを与え続けるというわけです。 日焼け止め製品の中にもUVBしか遮断しないものがあります。