コンテンツの利用をお考えの方は引用・転載をするときのルールをご確認ください。

腎不全の猫にしてあげられること

腎不全の兆候
猫はあまり水を飲まない動物なので、高齢の猫はほとんどが腎不全になります。 以下の項目の複数に該当する場合には、腎不全である可能性が濃厚です:
  • 水を飲む量が増えた。
  • おしっこの匂いや色が薄くなった。
  • 異常に痩せた時期があった(あるいは今も痩せている)。
  • おやつとしてソーセージや煮干を与えていた。

食べたものを頻繁に吐くというのは必ずしも腎不全の兆候ではありません。 腎不全が相当に進んでいる猫でも吐く回数が増えないこともあります。

家庭でできること

お金に余裕のある人は動物病院で診察を受けさせても良いのですが、完全なケアをしようとすると非常にお金がかかります(~10万円/月ほど)。

さらに腎不全は治すことができない病気なので、病院を利用する場合にも、エサを療法食に切り替える・コバルジンやネフガードなどの活性炭薬を投与して有害物質を吸着させて腎臓の負担を減らす・輸液療法によって腎臓の負担を減らすなどの治療法しかありません。

そして、このうちの療法食と活性炭薬は通販でも入手できるようになっています。

療法食とは

療法食とは、腎臓への負担を極力減らしつつ猫の健康を維持できるように成分が調整された特別なエサのことです。 当初はメーカーが療法食の価格を維持するために動物病院でしか買えないようにしていましたが、最近はネット通販や大手のペットショップでも入手できるようになっています(大手のペットショップよりは通販の方が安い)。

猫のために毎月数万円もの出費をする余裕はないという場合にも、腎不全の疑いが濃厚である場合には腎不全用の療法食を与えてはどうでしょうか。

腎不全用の療法食は、成猫であれば腎不全でない猫にも与えることができます。 つまり腎不全と確定していない疑惑の段階でも腎不全用の療法食を与えられるというわけです。 (肥満の猫には不向きかもしれませんが)

うちでは2匹飼っていた猫の一方が腎不全になったときに、療法食があまって困っていました。 そこで「もう一匹の猫にも療法食を与えて問題ないか」と獣医に尋ねたところ、あっさり「問題ない」と言われました。

療法食は高価ですが、毎週動物病院に通うほどの負担にはなりません。 腎不全の猫は食欲が無いことが多いのですが、療法食は嗜好性の改善が続けられています。 猫によって好みのブランドは異なると思うので、根気強くいろいろ試してみましょう。 「療法食によって猫の寿命が延びることは研究により実証されている」と獣医さんも言っていました。

腎不全用療法食の特色

療法食の一番の特徴はリン含有量の制限です。 リン以外では塩分とタンパク質が制限されています。 腎不全にとって最大の敵はリンと塩分です。 タンパク質も取り過ぎはよくありませんが、リンほどの悪影響はありません。

子猫は成長にリンが必要なので腎不全用の療法食ではリンが不足してしまいます。
エセ療法食に注意!

ペットの高齢化が進む時代にあって腎不全に対応した猫のエサがよく売れるためなのか知りませんが、こないだ久しぶりに大手のペットショップを訪れると、療法食ではない普通のエサの中にも腎不全を意識した製品が数年前に比べて相当増えていました。

そこで療法食のフリカケ用にでも使えるエサがないかとこれらの製品の成分をチェックしてみたのですが、大部分が腎不全に対応しているとは到底言えないようなリンと塩分とタンパク質の数字でした。

療法食以外の製品から腎臓に優しいエサを選ぶ場合にも、まず一度ちゃんとした療法食(ヒルズや、ロイヤルカナン、ドクターズケアなど)を購入して療法食のおよその成分を把握しておくのが良いでしょう。

参考までに、例えばドクターズ・ケアの場合、タンパク質23.5%・リン0.3%以上・ナトリウム0.1%以上という成分です。

療法食以外の一般のエサでは腎不全対応を謳っていてもリンが0.7%というひどい数字だったりします。 「当社の他の製品に比べてリンを20%軽減」と書かれているけど肝心のリンの数値がかかれていない製品もありました。 「他の製品」のリン含有量が1%であれば0.8%もリンが含まれているということになります。

そんな中で、プロステージ ル・シャット デトレという製品は療法食ではないものの、成分的にかなり優秀な数字です。 うちでは今、キドニーケアをベースにル・シャットを少しふりかけたもの(キドニーケアだけでは食べないが、ル・シャットだけを与えるのも心配)を与えています。
活性炭薬

活性炭薬とは、エサに混ぜて投与した活性炭に有害物質を吸着させて、尿ではなく大便を経由して有害物質を体外に出すことで腎臓の負担を軽減しようとするものです。 私が最初に知った活性炭薬は猫用のものでしたが、腎臓病の人用にも使われているようです。

活性炭薬はネフガードという製品とコバルジンという製品がネット通販でも入手できます。

ただし、以前メーカーに問い合わせたところネフガードは(たぶんコバルジンも)本来ターゲットとする有害物質よりもビタミン類を優先的に吸着するそうです。 人の食事と違って猫のエサに含まれるビタミン類は、食品に当初から含まれているものではなく後から添加されたもので、いわばサプリメントのようなものでしょうから活性炭薬に吸着されやすいのではないでしょうか?

水分補給

腎不全では水分を多く摂らせることが特に大切なので、数箇所に水を入れた容器を用意し、毎日水を交換して水を新鮮に保ち、ことあるごとに猫に水を薦めましょう。 うちでは、ドライフードも水に浸して与えています。(水に浸すと食べてくれない猫も多いと思いますが)

電解質サポート

数年前からは、ドライフードにかける水をロイヤルカナンの電解質サポートを溶かしたものを使うようにしていますが、普通の水より美味しいのか(舐めてみると少し味がある)水浸しのドライフードでもわりと喜んで食べてくれます。

電解質サポートは本来、下痢など大量に水分を失った場合に使うものですが、塩化ナトリウムやカリウムが主成分なので輸液の成分に近い(いずれも体液の成分に基づいて作られている)のではないかと思います。

電解質サポートと同じような製品に人間用の経口補水液もあり、こちらの方が値段が安いのですが、リンが入っていたりとペット用のものとはだいぶ違うようなので避けるのが良いでしょう。

うちでは、電解質サポートをエサに振りかけて水を少し注ぎ、30分~1時間ほど待ってエサが水で十分にふやけてから与えるようにしています。 十分にふやける前にエサを出すと水だけ飲んでエサを残してしまいます。

以前は、野菜ジュースの空きペットボトルに1袋を溶かしたものを冷蔵庫に保存して、ドライフードを与えるときにかけるようにしていたのですが、ペットボトル1本を使い切るのに数週間もかかり雑菌が繁殖して不衛生となるので、少々面倒なのですが毎回エサを与えるごとに粉と水を混ぜるようにしています。

散歩

人間を対象とした研究ですが、「座っている時間が長いのは腎臓にも良くない」というのがあります。 猫が散歩に行きたがったら連れて行ってあげましょう。 猫も犬と同じように散歩に連れて行くことが出来ます(犬と違って壁の上にのぼったりもしますが)。 首輪よりも胴体に付けるタイプのハーネスが良いでしょう。

指圧・マッサージ

数ヶ月前(2015年8月末)から水を飲む量が急激に増えたので、無駄と知りつつ腎臓を再生させる方法はないかとネットで検索しているうちに、足のツボで(人の)腎臓再生とかいうサイトを見つけました。

眉唾物の情報だなと思いつつ猫のツボのことを検索していると、猫が喜ぶマッサージの方法(図解付き)というのを見つけました。 で、少しは何かの効果があるかと思い腎兪と命門というツボを押すようにすると、猫が水を飲む量は減りませんでしたが元気になりました。

猫も年を取って(2015年で16才)ここ2~3年は庭の柿の木で爪を研いだ後でダッシュする姿を滅多に見なくなっていたのですが、ツボを押すようになってからは時々ダッシュをするようになりました。 あと、庭に飛んでくる蝶とかにも再び反応するようになりました。

ビタミンD
高齢の猫を対象に行われた研究で、ビタミンDが多いほど死亡率が低いという結果になったものがあります。 ビタミンDはキャットフードにも含まれていますが、猫に日光浴をさせてあげると良いでしょう。
安息

ヒトの話ですが、睡眠不足の人は腎機能が衰えやすいという研究があります。 猫を熟睡させてあげるようにしましょう。

また、高齢の猫は食器の音に敏感になります。 コップとコップが触れ合う音や、食器にスプーンが当たる音を非常に嫌がります。 猫が近くにいるときには、なるべく食器の音を立てないようにして猫の安息を守りましょう。