動物実験で1型糖尿病の予防と治療に成功

(2013年5月) "Nature Immunology" 誌に掲載されたオーストラリアの研究で、初期の(インスリンを生産する細胞群が破壊されてしまう前の)1型糖尿病を改善または進行を停止する可能性のある免疫タンパクを特定されました。

この免疫タンパクは CD52 という名称で、過剰な免疫反応から体を保護する作用を持つため、1型糖尿病以外にも、多発性硬化症や関節リウマチなどの治療、あるいは予防への使用も期待できます。

研究者の話では、CD52 を大量に有する、あるいは放出するT細胞が免疫系の通常のバランスを維持するうえで必要です。 研究グループが動物実験において、CD52を生産する免疫細胞(T細胞?)を取り除いたところ、たちまち糖尿病が発症してしまいました。 このことから研究グループは、自己免疫疾患の発症の予防においては CD52 を放出する細胞が重要であり、CD52 を治療にも用いられる可能性があると考えました。

研究グループは、CD52 を大量に保有する特殊なT細胞も特定しました。 このT細胞は CD52 を放出することで、他の種類のT細胞の活動を抑えて、免疫応答の暴走を防ぐ、いわばブレーキの役目を果たしています。

研究グループはすでに、動物実験で1型糖尿病の予防と治療に成功しています。