生後1年間の食事がセリアック病になるリスクに影響する?

"Pediatrics" 誌(2013年10月)に掲載されたノルウェーの研究によると赤ちゃんの食事にグルテンを導入するのが遅かったり、母乳を1年を超えて続けていると、セリアック病のリスクが増加すると思われます。

今回の研究では、ノルウェーの子供 107,000人のデータを調査しました。 そのうち、最終的に利用されたのは 82,200人のデータで、このうちの324人がセリアック病を発症しました。

セリアック病になった子供のうち、生後4ヶ月までにグルテンを(含有する食品を)食べ始めていたのが8%、生後5~6ヶ月の間にグルテンを食べ始めていたのが45%、そして、生後半年より後にグルテンを食べ始めていたのが47%でした。

研究グループは、セリアック病になるリスクが、グルテンの導入が遅れる(生後半年より後になる)ことで27%増加し、母乳を与える期間が1年を超えることで49%増加すると結論付けています。

今回の結果は、臨床試験を複数行って確認する必要がありますが、臨床試験でも今回と同じ結果になった場合には、生後4~6ヶ月の間にグルテンを含む食品を少量ずつ与え始めることでセリアック病になるリスクを減少できると考えられます。

専門家の意見
シカゴ大学のセリアック病センターに在籍する小児栄養学の研究者は次のように述べています:

「固形食を与え始める時期や、セリアック病と食物アレルギーを予防する方法については、様々な意見があります。

わたくし個人の意見としては、固形食は赤ちゃんの発達に応じて与え始めるべきです。 すなわち、赤ちゃんが肘で体を支えて、補助無しに座れるようになり、押し出し反射(舌の上に載せられた食べ物を反射的に口から吐き出してしまうこと)が消滅する頃です。

今回の研究結果で目新しいのは、1年を超えて母乳を与えることによってセリアック病のリスクが増加するという点ですが、今回の研究のデータだけでは、この仮説を裏付ける根拠として統計学的に不十分だと思います」

この研究者は、生後半年間は母乳のみで育て、その後、生後1年までの間に徐々に母乳を減らして、その分だけ固形食を増やしていくという方針を推奨しています。 この方針は、米国小児学会の方針と合致しています。

今回の結果を頭から否定する専門家もいます。 米国フロリダ州にあるマイアミ子供病院の医師は次のように述べています:

「セリアック病になるかどうかは遺伝的な要因で決まります。 グルテン導入のタイミングが何時であろうと、遺伝的にセリアック病になる人はセリアック病になります。 セリアック病で問題となるのは遺伝子なわけですよ。 そこに注目する研究をやっていかなきゃならない。 グルテン導入のタイミングだとか、母乳かどうかとか、問題はそこじゃないんだ」