セリアック病の人では冠状動脈疾患のリスクが増加

(2014年3月) これまでの研究で、セリアック病の人では不整脈や心不全のリスクが増加する可能性が指摘されていますが、"American College of Cardiology" の会合で発表予定である米国の研究によると、セリアック病によって冠状動脈疾患のリスクも通常の2倍近くに増加すると考えられます。

この研究では、18才以上の男女 2,240万人分の医療データを分析しました。 このうちセリアック病と診断されたのは 24,530人で、セリアック病ではない人たちのデータを対象群として用いました。

喫煙習慣と糖尿病の有無については、2つのグループ(セリアック病 vs. 対象群)で違いはありませんでした。 セリアック病のグループは対象群に比べて、高コレステロールである傾向が僅かに強く、高血圧である傾向が弱くなっていました。

冠状動脈疾患のリスク要因である性別、人種、糖尿病・高コレステロール・高血圧・喫煙習慣の有無をチェックして、セリアック病のグループと対象群との間で、これらのリスク要因が同等となるようにしました。 (これらのリスク要因がセリアック病のグループと対象群とで同等となるように、非セリアック病のグループのデータの中から適当なデータを抽出して対象群として用いたということでしょうか)

その結果、セリアック病のグループは対照群に比べて、冠状動脈疾患になる率が有意に増加していました(対照群で5.6%だったのに対して9.5%)。 65才未満の人に限定してデータを見ても、この関係は残っていました(対照群で2.4%だったのに対して4.5%)。 研究者は「セリアック病と冠状動脈疾患の、特に65才未満での、関係性の強さには驚いた」とコメントしています。

研究者は、セリアック病が冠状動脈疾患のリスクに影響する理由を次のように説明しています:

「セリアック病のある人では、低レベルの炎症が腸で慢性的に生じています。 この慢性炎症によって、免疫に関する伝達物質が血流中にばらまかれますが、それによってアテローム性動脈硬化が進行し、そのアテローム性動脈硬化が冠状動脈疾患の原因になります」



また、セリアック病の人に対して次のようにアドバイスしています:

「セリアック病に限らず慢性炎症性の疾患がある人は、①健全な生活習慣(運動習慣、健康的な食事、禁煙など)を維持すること、そして、②心臓病のリスク要因である糖尿病・高血圧・高コレステロールなどに気をつけることを心掛けると良いでしょう」