セリアック病で不妊症のリスクは増加しない

(2014年12月) "Gastroenterology" 誌に掲載されたノッティンガム大学(英国)研究によると、セリアック病の女性であっても不妊症のリスクは増加しないと思われます。

この研究では、妊娠可能年齢にある英国の女性200万人超のデータを用いてセリアック病の有無による不妊症リスク(不妊症に悩んで病院に行く人の割合)の違いを調査しました。 その結果、セリアック病と診断される前か後かに関わらず、セリアック病によって不妊症のリスクが増加しているということはありませんでした。

25~29才の年齢層に限ってはセリアック病と診断された女性で不妊症リスクが41%増加していましたが、これは健康な女性で不妊症に悩むのが100人に1人の割合であるのが100人に1.5人になるという程度の増加率です。

セリアック病だけれども未だセリアック病と診断されていなかった25~29才の女性では不妊症リスクが増加していなかったことから、この41%の増加というのにしても、セリアック病それ自体により不妊症リスクが増加したのではなく、セリアック病と診断された女性が(不妊症を懸念して)早期に不妊症で医師の診察を受けることが多いためだと思われます。 ただし、この点に関しては今後の調査で確認する必要があります。

自分がセリアック病であることに気付いていない女性において不妊の原因が実はセリアック病だったというケースも一部に存在しますが、今回の結果から、セリアック病の女性の大部分は、セリアック病と診断されていてもされていなくても、不妊症のリスクが平均的な女性と同程度であると言えます。 したがって、不妊症に悩む女性全員にセリアック病の検査をするのは非効率的だと考えられます。

セリアック病の不妊症への関与を示唆した過去の研究は、いずれも小規模であるうえに、不妊症にさんざん悩んだ挙句にセリアック病の検査を受けたという女性のデータを用いたものであるためデータに偏りが生じていた可能性があります。