ケモブレインは気分の問題ではなかった

(2012年11月) 北米放射線学会で発表されたウェスト・バージニア大学の研究により、「ケモ・ブレイン」の生理学的なエビデンスが明らかになりました。 ケモ・ブレインは単なる気分の問題や鬱症状ではなく、脳機能の変化であって機械を用いて観測できるものだったのです。
ケモ・ブレイン

ケモ・ブレインとはガンの化学療法(ケモ・セラピー)の副作用のことで、「頭の中がもやっとする感じ」や「対処能力の喪失」などの症状のことを言います。

ケモ・ブレインに食事の変更・運動・マッサージ・カウンセリングが有効であるというエビデンスが既に存在します。
研究の方法

この研究では、PET/CT(ポジトロン断層CT検査)と呼ばれる技術を用いて、乳ガン患者128人の脳を化学療法の前後にスキャンしました。

結果

スキャン結果を分析したところ化学療法の前と後で脳の代謝に違いが見られました。 化学療法後に脳の領域のうち計画立案と優先順位決定に関わる部分の消費するエネルギーが減っていたのです。

さらに、この分析結果を患者の病歴・神経学的検査の結果・化学療法の治療データと照らし合わせたところ、脳の局所的な代謝の減少とケモ・ブレインの症状との間に有意な関係が認められました。