運動習慣で化学療法の副作用が緩和される

(2015年6月) 米国臨床腫瘍学会で発表されたロチェスター大学(米国)の研究によると、化学療法を受けるガン患者は治療中にも運動習慣を中止したりせずに続ける、あるいはむしろ運動量を僅かに増やすことによって化学療法の副作用を軽減できると思われます。

研究者は次のように述べています:
「ガンの治療中には運動量を減らしても良いと言われることがあったり、運動量が減るのも当然だと受け止められがちだったりしますが、今回の結果によると化学療法中にはむしろ運動量を増やすことが推奨されます」
研究の方法

この研究では、619人のガン患者(何のガンかは不明)を2つのグループに分けて、一方のグループには化学療法と同時に研究チームが開発したEXCAP(Exercise for Cancer Patients)と呼ばれる運動プログラムを行ってもらい、もう一方には化学療法だけを受けてもらいました。 運動プログラムの内容はウォーキングと筋力トレーニングでした。

運動量の差

化学療法を開始する時点で、大部分の患者の歩行量は1日あたり4千歩程度(3km超)でしかなく運動不足でした。

化学療法開始から6週間後の時点において、化学療法だけのグループでは運動量が平均で 3,800歩程度にまで低下していましたが、化学療法&運動のグループでは平均で5千歩程度(まだ少し運動不足)にまで増えていました。

化学療法&運動グループはウォーキングに加えてトレーニング・チューブを用いた筋力トレーニングも行いました。 筋力トレーニングの内容は、負荷が低~中強度の運動を1日あたり10分、それを1週間あたり5日行うというものでした。

結果
化学療法グループでは身体能力が低下していました。 さらに、化学療法&運動グループに比べてケモ・ブレインや記憶力障害などの問題が生じることが多く、血中の炎症マーカーの数値も高くなっていました。
「自宅で出来る運動で手間もコストもかけずに薬と同程度の抗炎症効果が得られ、おまけに認知機能の低下まで防げます」