化学療法の副作用として生じるニューロパシーの軽減に運動が有効

(2016年6月) 米国臨床腫瘍学会で発表予定であるロチェスター大学(米国)の研究によると、ガンの化学療法の副作用として手や足に生じる神経障害(ニューロパシー)の軽減に運動が有効かもしれません。

抗がん剤とニューロパシー
どの抗がん剤でも副作用としてニューロパシーが生じるというわけではありませんが、乳ガンなどの固形腫瘍の治療でタキサンや、ビンカアルカロイド、プラチナ製剤(*)を投与された患者の60%でニューロパシーが生じます。 抗がん剤の副作用として生じるニューロパシーに効果のある薬は米国食品医薬局(FDA)が承認したものの中には存在しません。
(*) 白金を用いた抗がん剤。
研究の方法

300人超のガン患者を被験者として、運動をする場合としない場合とでニューロパシーの症状を比較しました。 運動をするグループには、ウォーキングとトレーニング・チューブを用いた軽い筋力トレーニングから成るEXCAP(Exercise for Cancer Patients)と呼ばれる運動プログラムを6週間続けてもらいました。

結果

運動をしたグループの方が、ニューロパシーの症状(痛み・感覚喪失・低温への過敏性)が出る数が少ないという結果でした。 運動の効果は比較的高齢の患者で顕著でした。

コメント
研究者は次のように述べています:

「以前は『ガン患者が運動をするのは安全ではない』 と言われていましたが、現在では適切な運動がガン患者にとって有益であることが知られています。 ガン患者にとっての運動の有益性を示す客観的なデータが存在するのです」

「ただし運動をすればするほど良いというわけでもありません。 化学療法を受けている最中の患者は特に、運動の量と激しさを自分に合うように調節する必要があります」