(2014年5月) 食べるだけで脂肪が燃焼する食品というのがこの世にはありますが、"Obesity" 誌に掲載された九州大学と東京工業大学の研究によると、食事の仕方によっても消費カロリーが異なります。 食事を良く噛んでゆっくり食べることによって、食事という行為それ自体で消費するカロリーが増加するというのです。
この研究では、普通体重の健康な被験者21人を2つのグループに分けて、一方のグループには100kcal の固形食品を、そしてもう一方には300kcal の固形食品を2回ずつ食べてもらいました。 2回のうちの1回では食品を出来るだけ噛まずにすぐに飲み込んでもらい、もう一回では出来るだけたくさんの回数を噛んでもらいました。
この2回における食事による消費カロリーは次のようなものでした:
100kcal の食品 | 300kcal の食品 | |
なるべく噛まない | 0.2 kcal | 0.4 kcal |
なるべく噛む | 6 kcal | 10 kcal |
噛む回数を増やすことで消費カロリーが増えるのは、食事を良く噛むことによって味覚が刺激されるためではないかと考えられています。
300 kcal に対して10 kcal というのは約3.3%にあたります。 したがって、全ての食事を良く噛む様にすれば、自動的に摂取カロリーを3.3%減らせるということになりそうです。 例えば1日に 2,000kcal を摂っている人の場合、全ての食事で良く噛む様にすることで66kcal を摂らなかったことに出来ます。
脂肪1グラムを落とすのに必要は消費カロリーは7キロカロリーですから、66kcal といえば脂肪9gほどにあたります。 良く噛んで食べる習慣を1ヶ月続けると、食べる量を全く減らすことなく0.3kg近く脂肪が減るという計算になります。 1年だと、なんと3.6kg。
サイエンス・ポータルによると、研究グループは次のように試算しています: