患者が手術前にガムを噛んでいても手術を延期する必要は無い

(2014年10月) アメリカ麻酔科学会の会合で発表されたペンシルバニア大学の研究によると、手術前の絶食期間中にもチューインガムを噛む(あくまでも噛むだけ。飲み込のはダメ)のは大丈夫だと思われます。

手術前には、麻酔中の誤嚥(胃の内容物が呼吸中に気管に入ること)を防ぐために、何かを飲むことも食べることも禁止されます。

ガムで誤嚥のリスクが増加するのかどうかはこれまで不明でしたが、手術前には一般的にチューインガムも禁止されており、手術前にガムを噛んだために手術が延期されるというケースもあります。

研究の概要

今回の研究では、胃腸の内視鏡手術(gastrointestinal endoscopic procedures)を受ける患者67人を2つのグループに分けて、一方のグループにのみ手術の直前までガムを噛むことを認めました。 噛むガムの量やガムを噛む時間の長さに制限は設けませんでした。

手術前にガムを噛んでいた患者では、そうでない患者に比べて、胃に存在する体液の量が有意に増加していましたが、ガムを噛んでいた患者でも鎮静剤や麻酔の使用に安全上の問題はありませんでした。

コメント
研究者は次のように述べています:
「手術前にガムを噛むことで唾液の分泌量が増加し、そのために胃内の体液の量も増加していましたが、合併症のリスクが増加するほどには胃の酸性度に影響していませんでした。 『ガムを噛んでいた』という理由で手術や麻酔を用いる治療を延期する必要は無いでしょう」