漢方薬の安全性は不透明

(2016年3月) 天然の成分で副作用が少ないというイメージがある漢方薬ですが、"Toxicological & Environmental Chemistry" 誌に掲載された「お茶の水女子大学」などの研究によると漢方薬の安全性は不透明です。

研究の方法

オンラインの通信販売や製薬会社などから入手した漢方薬や生薬のサンプル32個を、機器中性子放射化分析(INAA)およびX線回折(XRD)という2つの方法で分析しました。 INAAでは、サンプルに存在する有害物質の濃度がわかります。 XRDでは、高濃度で存在する有害物質の化学構造がわかります。

結果
砒素と水銀を検出
すべてのサンプルから砒素(ヒ素)と水銀が検出されました。 同じ名称の漢方薬であっても生産地の違いによって砒素や水銀の濃度に相当な差がありました。
過去の複数の類似研究には、漢方薬から砒素や水銀が検出されるという結果になったものと、検出されないという結果になったものが存在します。
成分が不明瞭

入手した漢方薬の大部分には成分表が添付されていませんでしたが、成分表が添付されている場合にも実際の成分を正確に反映していませんでした。 成分表に記載されていない有害金属が含まれていたり、同じ名称の漢方薬でも成分が異なっていたりしたのです。

結論
この研究では、漢方薬の安全性が不明瞭であることが明らかになりました。 研究チームは次の3点を提唱しています:
  • 漢方薬の輸入や成分表示に関する規制を強化する必要がある。
  • 漢方薬の常用は医師の指導の下で行う。
  • 漢方薬は長期的に常用すべきではない。