あの乳酸菌で免疫チェックポイント阻害薬が効くようになる?(2/2ページ)

効果を発揮している腸内細菌はビフィズス菌だった

そこで研究チームはいよいよ、このような腫瘍抑制効果を発揮している腸内細菌の種類の特定に乗り出しました。

JAXマウスとTACマウスの消化管に存在する細菌の種類を大規模シークエンシングにより特定して比較したところ254種類の細菌に有意な違いが見られましたが、JAXマウスとTACマウスとの違いが顕著だったのは3種類の細菌でした。

そして、この3種類の免疫系に対する効果を1種類づつ確認していった結果、腫瘍抑制効果を発揮しているのが乳酸菌の一種であるビフィズス菌であることが判明しました。 ビフィズス菌だけの投与でもJAXマウスの腸内細菌叢全体を移植したときと同程度に腫瘍コントロール能力が向上したのです。

TACマウスにビフィズス菌を経口投与すると2週間のうちに抗腫瘍T細胞応答が顕著に増加し、投与から6週間が経過しても効果は持続していました。

ビフィズス菌の様子

その他の実験では、ビフィズス菌が腸から出ない(おそらく腸内でコロニーを形成する)ことや、辺りをさまよっている樹状細胞(roaming dendritic cells)と作用して免疫応答を引き起こしているようであることが明らかになりました。 樹状細胞は潜在的な脅威の存在を検知してT細胞に伝えます。

補足情報
"Science" 誌に同時に掲載されたフランスの研究では、抗性物質の使用によりイピリムマブの抗腫瘍効果がかく乱されるという結果になっています。 抗性物質により腸内細菌叢が失われたマウスでも、そもそも腸内細菌叢を持っていない無菌マウスでも、腸内細菌叢を移植することでイピリムマブが効果を発揮するようになりました。