チョコレートと骨の健康(レビュー)

(2019年4月) ウェスト・バージニア大学などの研究グループが、チョコレートが骨の健康に及ぼす影響についてまとめたレビューを "Nutrition" 誌に発表しています。
著者: Stephanie A.Seem et al.
タイトル: Chocolate and chocolate constituents influence bone health and osteoporosis risk

レビューの要旨

  1. チョコレートは抗酸化物質・抗炎症性フラボノイド類・ミネラル類を豊富に含有するので、骨の健康に有益となる可能性がある。 その一方で、チョコレートが含有するココアバター・砂糖・メチルキサンチン(テオブロミンやカフェイン)などの成分は骨の健康に有害かもしれない。
  2. ヒトを対象にチョコレートの摂取が骨の健康を示す物質の血中濃度に及ぼす影響を調べたこれまでの研究は、結果の方向性が一致していない。
  3. その理由の1つは、チョコレートの種類によって成分が異なるためだろう。 例えば、ホワイト・チョコレートは糖分を多く含むのにフラボノイド類にも大部分のミネラル類にも乏しいが、ダーク・チョコレート(カカオ含有率が45~85%)はフラボノイド類と大部分のミネラル類を豊富に含有する一方で糖分が少ない。 ただ、カカオ含有率が70%以上だと、脂肪分とメチルキサンチンが多くなる。
  4. これまでの研究で、閉経後の女性がチョコレートを中程度の量で食べても骨の健康への影響は無いけれど、思春期の子供がチョコレートを食べるとのちのちの骨の成長量が多い(greater longitudinal bone growth)ことが示されている。
  5. フラボノイドやミネラルの含有量から考えると、骨の健康にとって最も有益なのは糖類が添加されていないココア・パウダーだろう。 その次に健康的なのは、カカオ含有率が高いダーク・チョコレート。
  6. 骨の健康を目当てにチョコレートを食べる場合の摂取推奨量は未だ不明である。 チョコレートが様々な変性疾患の予防に有益であると言われるために今後チョコレートの消費量が増えるだろうから、推奨摂取量を特定するための研究を行うことが望まれる。